【詩】俺が嫌いなもの
世界が間伸びしていくような、それでいて必ず閉まっているような、妙なことを気にかけていて、きっとどこかに最果てがあるのに、自分に目隠しをしていつまでもそれを見ない
それを自ら選んでいる感覚はないのに、誰もそれに全然違和感を抱かない、どこかで無くしてきちゃったのかなと心配になって、でもそのビー玉を投げたりする勇気はなくて、解(ほど)けたアイスみたいにわたしと世界は距離を見失って、そのままになっている
重心を少し変えれば見づらくなるから、みんな震える足を揉んで必死で保っている、このまま時間が経ったらいつかはこぼれてだらしなく、ゼリーみたいに地べたに寝そべる、そうなってみて初めて、ずっとわたしはゼリーだったし、でも甘くはなかったんだと気づく
贅沢な悩みだと思う、最果てを見ないのも、アイスが解けるのも、甘くないゼリーって気づくのも、言葉があるからだ、でも俺が嫌いなものは、言葉だ、言葉が、嫌いだ
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