内なる狂気をいかに解消するか
みんな心の中でトンデモナイ妄想や空想をしたことがあると思う。例えばこんな妄想である。
さて、これらのような妄想は、無論妄想の域を出ない。それは僕が社会性を身につけているからか、あるいは他者に特定の行動を要請するからだ。
しかし、これらの狂気じみた妄想は、「欲望を伴う」という性質からして、解消しないわけにはいかない。食欲はご飯を食べることによって、性欲は性行為か自慰行為をすることによって、解消される。では妄想した内容を実行に移したい欲はいかにして解消するか。これは非常に大きな問題である。
しかしながら、実行することそのものが、人生の中で身につけた(身についてしまった)社会性や他者依存性によって不可能になっているため、普通に生きていてもこの欲望を解消することはできない。
ですがみなさん、みなさんはご飯を食べなかったり、オナニーやSEXをしなかったりするとどうなりますか。精神と肉体の健康を損ね、最悪の場合は死にますよね。
僕たちは死なないために、なんとかして解消する方法を見つけるべきである。そして実は、その方法は一つ発見されている。
虚構世界の創造である。
現実の世界でできないことを、人間は自らで作り出した空想の世界の住人に代行させる。物語を作って、その登場人物に自己を重ね合わせることによって、「自分がその行為を現実の世界で行った」というある種の錯覚を起こす。そしてそれにより、欲望を解消することができる。
余談だが、これに近いことが実はTwitterで起こっていたりする。「裏アカ」と通称される匿名のサブアカウントを利活用し、Twitterという半虚構の世界で、好き放題をする。著名人に暴言を吐いたり、友達の悪口を呟いたりする。
しかし、Twitterでも最近「開示請求」という行為が行われるようになってしまった。それは、アカウントやツイートのIPアドレスから使用デバイスや登録情報を特定し、身元を判明させる行為である。
これによって、一部の妄想の実現が難しくなってしまっている。
さて、話を本筋を戻そう。人間は虚構の世界やそこに住む住人を生み出し、彼らに妄想を代行させることによって欲求を満足させることができる。
しかし問題は、「世界を創ることできない場合」に起きる。そして悲惨なことに、僕たちの多くは満足の行く創造、すなわち思い描いた妄想をあたかも自分がやったかのように錯覚するのに十分な空想の世界の創造を、いかなる手段を用いてもできないのだ。
手段の具体例としては、小説、映画、絵画、漫画、演劇、が挙げられるだろう。(視覚による認識を要する「行為」の表現は、音楽や料理などの創作活動ではほぼ不可能だというのが現在の私の持論である。)
しかし、これらを用いて満足のいく表現ができるのは、ほんの一握りの芸術家だけなのである。
では凡人である僕たちは、内なる狂気に由来する欲望をいかにして解消するのか。
……。
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