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「東京ベランダストーリー」に出ることになった

怒涛の2020年が終わり文字どおりそのまま2021年になだれこみ、もう立春も過ぎてしまった。今これを書きながら目の前に広がる私の小さなベランダの植物たちも、半数以上が葉を落とし、おだやかな冬の日差しを静かに浴びながらじっと春の訪れを待っている。

もう2ヶ月も経ってしまったのだけど、12月に出演した「東京ベランダストーリー」について。

こちらのnoteは、Instagram内のソダスアカウント@sodas.jpに連動しソダス関連のことを綴っている体なのだけれど、私が今こうしてソダス制作に魅せられている理由が番組内で触れられたことも多かれ少なかれ関係しており、番組を見られた私のことを直接ご存じない方が「?」と思われたかもしれない部分や、はたまた面識のある方も別の意味で「?」と思われたこともあったかもしれないな、と客観的に少し思ったので、時間の都合で放送されなかった内容も含めてこちらに書いてみようと思う。

私のベランダストーリーについて綴るにあたって、ひとつ誤解を招かないようにお断りしておくと、制作チームのみなさんには限られた時間の中でとてもよく編集いただいたと思っている。俳優の小松利昌さんとスタッフの皆さんの素晴らしいチームワークにも感謝と敬意をここで改めて表しておきたい。

昨年12月頭に、BS朝日で9月に一度パイロット版を放送していた『東京ベランダストーリー』という番組に出演しないか、と声がかかった。簡単に言うと、ナビゲーターである「大阪から上京して数十年の、休日のベランダ訪問をポエムに綴ることだけが趣味の窓際中年サラリーマン小松(関西人的にはツッコミどころが満載であるがそれはさておき)」が東京在住者のベランダを訪問し、その様子を放映する、というドラマとドキュメンタリーがミックスされた構成の番組だ。9月に引き続き12月にもう一度同じような特別番組として放送して、年明けから週1回放送のレギュラー番組になることが決まったとのこと。

植物を育てている方も、そうでない方もお分かりだと思うが、北半球に位置する12月の東京のベランダといえば、1年でいちばん植栽が寂しい時期である。ベランダとひと言で言っても、その活用法はいろいろある。言うなれば我が家は「植物が売り」のベランダなので、例にもれず、アイビーやモンステラなどの常緑植物は葉をつけているものの、他の緑豊かな季節を知っているだけに、寒空の下スカスカである。付け加えると、どうでもいいが、私も1年近くの外出自粛でコロコロ度マックスである(はい、人生油断してはいけません)。そんなこんなで最初は正直気乗りせず、「時季的に今はちょっとお見せするようなものもなく・・・」とか、「来年レギュラー番組化するのであれば、春とか夏とかに・・・」ともごもご提案してみたのだが、ディレクターさんからなんだか切羽詰まった感じがじわじわ伝わってくるので、じゃあ、一度見に来ていただいて放送に耐えうるベランダかどうか判断してくださいとお伝えした。するとすぐ来られて、ベランダを見てそれでも撮影したいとのこと。

我が家の冬のベランダ↓

今の住まいに越してきて、去年の10月でちょうど10年になった。

今となってはどちらが先かはっきりと思い出せないのだけど当時、引越し前後に編集者の畑山伸也さんのブログ『東京ベランダ通信』の存在を知り、都心でこんな「豊かな暮らし」をされている方がいるんだ、とすっかり魅了されファンになった。同じベランダガーデナーとして、ホームセンターも近所になく車も持たない我が家、ずいぶんいろいろと参考にさせていただき、励まされた。時を同じくして奥様の料理家、こてらみやさんの京エッセンスのちりばめられた大人の暮らしぶりやレシピにもノックダウン。畑山さんご夫妻のおかげで我が家のベランダと食卓は随分豊かになった。聞けば制作チームディレクターも畑山さんのブログのファンだというではないか。そんなお二人のベランダが、実際9月放送の第1回にすで登場しており、そんな番組の第2回目にとは、光栄なことではないか。そしてまた10年前、偶然の出逢いでこの家に引っ越すことになり、慌ただしく限られた予算で内装に手を入れ、前の借家の契約切れの都合でそれもまだ未完成の状態で、雪崩れ込むように段ボールの山と1歳児とともに住み始めたことも思い出し、「10年の節目記念にまあいっか・・・ええい、ままよ!」と清水の舞台から飛び降りることにした。大袈裟だが、素人のテレビ出演決断なんてそんなもんである。

ご覧いただいた方はお気づきだと思うが、番組ではベランダ主のベランダをサラリーマン小松が訪問するというだけではなく、現在のベランダに至った十人十色それぞれの経緯も掘り下げて紹介される。時間の都合で、全てを放送することは叶わないけれど、それでも普段自分でも思い出さないような過去の話を振り返り、かなりの分量いろいろとお話しした。しかし、改めて自分がひっそり育て楽しんできたベランダに光が当たり、それについて深掘りされることなんてことは普段まったくないので、畑山さんもおっしゃっていたけれど話始めると止まらない溢れる自分のベランダ愛に、我ながら驚いた。

職場で初めてソダスを知り、自分でも作るようになって、世界が広がり自分の中での幸福度が上がったことはこのnoteの中でも何度か触れているけれど、ソダスの材料である麦わらは言わずと知れた植物。今回の件で自分の人生を振り返ることによって、私の人生において「植物」は常にキーワードで、幼少期から常に私に生きる力を与えてくれていたことに改めて気づいたのである。

(次回に続く)



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