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原宿 1980 夏_31

 

No. 31 oclok

    Part 2

オレはそれからカルメンの
レコードを探しまくった。
当時レコードといえば秋葉原の石丸電気レコード館、実はオレが高校を卒業するとき石丸電気を就職試験で受けて落ちています。頭悪かったからねオレ、ハハハ。
店員さんに聞くとその時は
カルメンの涙の紅バラ?のB面の曲で、すでに廃盤になってるとのことでした。
それから中古レコード屋さんを探しまくったけど見つけることはできませんでした。
が、ホコ天で他のチームからビッグボーイが流れてくるのを聞いたのです。
オレはそのチームの子に事情を話しGジャンの背中に絵を描いてあげる代わりにキャセットテープに録音してもらうという交換条件で音源を手に入れることができたのです。それからすぐにうちのチームのメンバーに振り付けを伝授し、うちのチームのマル特の一曲になった。
今踊っている若者のみなさん
ユーチューブで聴くことができるので是非ナンバーリストに加えてみて下さい。
それからしばらくしてある日マブダチのアンベから新宿のコマ劇場の地下にあるドンキーカルテットの飯塚さんがやってるウエスタンのライブハウスにカルメンが出演すると電話があった。まっマジカ!
そしてその日アンベと二人で店へと向かった。
あっカルメンが歌ってる。
サーキュラースカートをはいてコニーフランシスの曲などオールディーズナンバーを歌いまくっていた。
いいね〜うんいいね〜。
アレ?!ビッグボーイは、、あっ次のステージかな。
再び登場、いいね〜カルメン
そろそろ来るかな、うん!
アレ?また歌わないの。
そうか、最後のアンコールか
もう〜もったいぶって。
だいぶテンション上がってウイスキーをガブ飲みしてるんでかなりクラクラしてきた。
向かいのアンベも目がすわってきた。
そして迎えたラストステージを歌い終えてアンコール。
出てきた出てきた。
よっ待ってましたあ〜。
アレ?また歌わないの、、
えっ、終わり?!
ステージから降りて帰ろうとするカルメン。
えっうそでしょ。
いくぞアンベ!
酔いもかなりまわってる。
カルメ〜ンチョットまったあ
本人をまえに熱い思いを説明した。ヒック!
カルメン本人もその曲をよく覚えてないという。
ぇえ?そうなんですか、、。
ならばと酔っぱらいの二人は
歌いながら振り付けをご披露した。
カルメンは感動してるのか困っているのかひきつり笑いを浮かべてる。
とにかくこの酔っぱらい二人から一刻も早く逃れたいオーラがみなぎっているのだけは確かだった。
そして外へ。
夜の歌舞伎町をアンベとふたり無言で歩きながらふと何かがひとつ終わったなと。そしてタバコに火をつけ夜空を仰いだ。
   すっ、 ふ〜   
    
    終わり

太陽のミラーボール
 誰よりもオレ達が
輝いてたと思えたあの日
今も輝いていると言えるかい
青春は人生のあんこの部分
甘いかしょっぱいかは
     わからない
あんこはここまでかなんても
     わからない
まだイケるはずだぜBOY
まだイケてるぜBABY
 ハートさえ熱ければ



    


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