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原宿 1980 夏_37

 

No. 37 oclok

  13年前の東北大震災あの津波の映像はあまりに衝撃的すぎてこの世の終わりかと思ったものだった。
岩手県の宮古市、津波の直撃を受けた。
オレのマブダチの安部ミサト
そこにヤツが住んでいた。
ハワイアンリーゼントを自慢してた、酒癖が悪いが憎めないヤツ、おっちょこちょいだけどまがったことが大嫌いなヤツ、ツイスト踊るときみんなを笑わせようとオカマツイスト、芸者さんツイスト、アントニオ猪木ツイスト、なんでもリクエストに答えてた。
あんな最高のヤツはそういないと思う。ヤツは今も元気にやっているのだろうか。
いまも人気者でみんなを笑わせているのだろうか。
まだツイストは踊れるのだろうか。
この記憶日記を書こうと思ったのもアンベが気づいてくれたらという思いがあった。
八百屋さんで働いている時に
上がマンションであのランナウェイを作詞した湯川れい子が住んでいて野菜を買いにくると店長に見つからないようにキュウリとかニンジンをオマケしてるって言ってたっけ
神楽坂のボロアパートに住んでて芸者さんの街でヤツと酒を飲み酔っぱらってくると
目をしばつかせ岩手ナマリで
宮古のあんやっこどす〜。
なんてやってたっけな〜ハハ
そのあと中野に越して遊びに行って近所のカラオケスナックでヤツの十八番の尾崎紀世彦のまた会う日まで、平浩二のバスストップをご機嫌で歌ってたらそこへ酔っぱらったお坊さん三人組が入ってきて
オレたちにケンカを売るようにマイクとカラオケを独占してわけのわからない歌をがなりたてつづけた。
アンベがしばし黙りコクって顔を見ると目がヤバイ。
危険ゾーンに入ってきた。
すっ、と立ち上がり中瓶のビール瓶を片手に持ちドスの効いた声で、なまぐさ坊主オレがセイバイしてやる!
三人組に近づきテーブルの角でビール瓶をパーン!
おっ今回はキレイに先端部分だけ破れた。
三人坊さん固まったままのけぞるのみ。
このなまぐさボウズがあああビール瓶を突き立て
檀家さんの大事なお布施で酒なんか飲みやがってエエエ!
やっやっやめなさい、やっやめてください〜ナンマイダー
数珠で手を合わせてる。
さすが慣れてる。
お店の人が飛んできて遠巻きに止めている。
カラオケの映像と音楽そしてミラーボールがこの東映のヤクザ映画のようなシーンを盛り上げる。
ハイカーット!
オッケー帰ろうぜ。
外へ出て夜の中野を狂ったように二人で笑い転げながら肩を組んで歩いた。
やっぱオメェ最高だなハハハ
飛びます、飛びます脳みそがぶっ飛びま〜す。
 ハハハハハハ、、、、

     つづく、、、?!


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