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原宿 1980 夏_26

  

No.26 clock


原宿ーはらじゅく〜
ホームに降りたつ。
ヤバイこのビョウ打ち革ジャン、ちょっと目立ち過ぎる。
ここに来るまでの電車の中でも全員がオレをガン見してた
ちっちゃい男の子がオレを指さしそれをお母さんがとめてた。かなりヤバイ人の域に達しているらしい。ハハハ… 
それに完成までに日にちが掛かりすぎて超真夏真っ盛り、
身体中汗が滝のように流れている。なんか腹が痛くなってきた。トホホホ……
よし行くとするか。
階段を上がって暗く長い通路を抜けると改札だ。
おっうちのチームのメンバーがタムロってる。
オレに気づき全員オレをガン見してる。
更にここはクールに決めてと
よっ、お疲れ。
リーダー超カッチョイイじゃないっすかあ。
えっ?ナニが?
ナニがって革ジャンですよお
あっこれのこと?
どこで買ったんですかあ。
あっこれ、どこだったかなあ
まさか自分で夜な夜な大家さんに怒られながら作ったなんて言えないもんね。
あっもう時間じゃん。とっとと行こうぜ、あっまだ握手してなかったぜ、ハイ、ちょちょいのちょいと。
ふ〜どっと疲れた。
ホコ天でも他のチームに目立つのなんのって。
よし踊ろうぜ、と革ジャンを脱ぎ捨てる。ここはクールにボイっていかないとサマにならない。ほんとは大事に畳んでといきたいものだがみんなの目もあるしやっぱロックンローラーはワイルドにいかないとね。
それからあっという間にうちのチームには同じ革ジャンにみんなビョウを打って着て来るヤツが増殖した。
他のチームより一挙にカッチョよく目立つチームになっていった。
オリジナリティは大切だけど
まねしちゃうことも必要だね
みんなも誰かさんに
うるさい〜、て怒られながらビョウを打ったのかなあ。
そこに触れるのはタブーで
やっぱクールに決めないとね
そんなこんなで軽く燃え尽き症候群的な感じにもなったが
すぐに復活して今度は皮のジャケットを買ってきてテカテカして綺麗な新品のジャケットを買ったその日の夜から紙ヤスリでザザザザ、ザザザとこすりまくり全面ガッサガッサにしてまたまた背中に白ペンキでTWIST AND SHOUT
そしてドクロのマークも描いちゃいました。
そしてこれもチョットイマイチかなあと思いつつ原宿へ着ていったのですがマネをするヤツはいませんでした。
ハハハやっぱりね、てかんじでした。
  ドンマイ、オレ!
そこで一句
 手を上げて
横断歩道で ツイストを










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