原宿　1980 夏_47

　

No, 47 oclok

   

　　　Spiled  stories

  ep.1

むかし確かフジテレビのとんねるずの歌番組でクレイジーケンバンドの『　タイガーアンドドラゴン　』が話題になってる頃、バンドの聖地といわれてる横浜の壁に絵を描いたあのライブハウスのFRIDAYをスタジオに完全再現したことがあった。
ライブハウスにフジテレビの美術と大道具さんが来てすべてのものを寸法を測りすべてのものの色をチェックして再現して、そこでケンさんが歌ったのです。
その一曲だけのために。
むかしのフジテレビは金と勢いがあったね。

   ep.2

オレたちのロックンローラーの教科書はなんといっても
クールスだった。
アルバムのレコジャケのなかでムラさんこと村山一海さんがカットオフのダブルの革ジャンの下に5センチ位の幅の赤と黑の横縞の半袖のティーシャツを着ていた。
それを見たオレは革ジャンに合うティーシャツはこれしかないと思った。
そう思ったらそのことばかり考えて街を探しさまよった。
赤と黄色、赤と紺色、白と黑
白と青、う〜んない、売ってない。
寝る時そのことばかり考えて
どうしてもほしい。
と、その時オレはひらめいた
そうだ、白と黒のティーシャツを買って赤に染めるのだ。
黒に赤を染めても黒のまま
白に赤を染め染めれば赤
やった赤黒のティーシャツの出来上がり！
さっそく白黒のティーシャツを買った。よしよし幅もいい感じいい感じ！
そして洋服雑貨の店で赤の染色剤を買って急いで家に帰って鍋に水を入れガスに火をつけた。
沸騰するお湯の中に赤の染色剤をぶっこむ。
アレ、うどんが一本残っていたのが真っ赤に染めあがった
そして白黒のティーシャツをぶっこむ。
おぉ〜赤黑になってきた。
そして火を止め軽く絞ってハンガーで干す。
オレはにやにやしながらそれを見て達成感に酔いしれる。
早く日曜日こないかなあ。
そして日曜日、原宿にカットオフのダブルの革ジャンに
赤黑のティーシャツを着て
いざメンバーのもとへ。
みんなオレを見て
『リーダー
カッチョいいですね、どこで
買ったんすか』
『えっ何？あっこれのこと
どこだったかなあ』
まさか自分で染めたとは言えない言えない。
オレはその日ご機嫌に踊りまくった。
そして家に帰りティーシャツを脱いだ。
ゲゲゲ体が真っ赤に染まっているではないか。
あとできづいたのだが、
染めたあとに色落ちを防ぐ
染め止めをしないといけないらしい。
トホホ、、、
勢いだけはあるんだけどね。