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原宿 1980 夏_25

 

No. 25 clock

今思えば若い時の情熱というのは正しく生きるとか将来のためにいろんなことを我慢して生きるとかそういうことを考えもしない。
それを時が過ぎ振り返った時にあれで良かったんだとか
オレは何をやってたんだとか思い返したとき想うのは
自分がその時どんな人生を送っているかという結果論からの自問自答であって若かりしその情熱が燃えている時は突っ走るしかないと自分を奮い立たせて行くことが完全無欠のロックンローラーなのだ。
ややこしいウンチクをたれてる場合ではない。はやくこのダブルの革ジャンをロックンローラースペシャルバージョンに仕上げなければならない
他人多少は迷惑はかけてでもやり遂げなけばならないときが人生には必ずあるのだと自分に都合良く話を書き換えて作業を進めようじゃないか。
もうやっちゃうよお〜!
イヤホンを両耳に突っ込み
ジャックをラジカセに突っ込む。そしてキャセットテープでチェリーボーイズの恋のロックンロールハイウェイ、
レモンロック、クールスの
紫のハイウェイ、そしてピッピのバースデー、もうこうなったらリトルリチャードに
チャビーチェッカーのレッツツイストアゲインときたもんだ。爆音で俗世界を断ち切る
カツーンカツーン、その音さえ聴こえない。
テンションが上がって時間の感覚もなくなってくる。
もう誰も止められない!
身体が疲れきるまで打ち続け
気を失ったように眠る。
それを毎晩続けたある日の朝ドアを開けるとヒラリとメモ用紙が……出ていってもらいますよ!  By 大家さん
う〜ん、とりあえず無視。
大家さんに見つからないようにバイトに出かける。
そのへんは小物。
それからどのくらい経ったのだろう。ついに打ちきった。
完成したぜ、カッチョイ〜!
そして着てみた、、。
ウッ、お、重い〜。
キャッツアイを掛けて
ハイポーズ!
またまたカッチョイイ〜!
でも重〜い、でもって暑ーい
カッコつけるのも根性いるね
一人でドキドキして興奮した夏の夜でした。
勢いついでに背中に白のペンキで下書きもなく一発描きで
TWIST AND SHOUT 
そしてデッカクお約束の海賊のドクロマークを描いちまったぜベイビー!
さらに更にブラックジーンズに手前と横のベルトとうしに
ワッカをハメて3本の長さの違う鎖をぶら下げた。
これでツイストで腰をヒネるとキラキラジャラジャラして
カッチョイイ! と思う?
まっそこはオレの得意の
妄想列車、停まらないよ。
よし来週のホコ天に着ていくぞ〜待ってろよみんなあ!
ではそこで一句
 アットザホップ
死んだじいちゃん踊りだす


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