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原宿 1980 夏_38

 

NO. 38 oclok


横浜のフライデーにアンベと飲みに行った。
オーナーの磯原さんともすぐに仲良しになってアンベちゃんと呼ばれていた。
ハウスバンドのBBSのロックンロールナンバーを聴きながらウイスキーをアオリーのツイスト踊りーので二人ともご機嫌マックス。
BBSのメンバーとも仲良しになりバンドのメンバーの将来の夢と不安の話を聞いたりした、いわゆる光と影、スポットライトを浴びた分だけ影ができるものなのです。
ボーカルの人は沢田研二と米米CLUBの石井竜也を足したようなGOOD顔(イケメン)だし歌もバッチリ上手いときてるのにメジャーになれない。
焦りだったり先々の不安があるらしい。
前にも話したがリードギターの人はフライデーを教えてくれた原宿の仲間の浜連のチアキちゃんと結婚してチアキちゃんのお父さんの電気屋さんを継いだと聞いた。
人生はわからないね〜。         「 いや〜最高マックスだね〜。酒とロックンロール地球上で神が作ったスーパーコラボレーションだね〜 亅
とノー天気のオレとアンベ。
夜もとっぷり更けてきて時計の針が日付変更線を超えた頃バカでかい声の酔っ払った男と女二人が店に入ってきた。
後ろの壁ぎわに座った。


男が高い酒をたのみ、モデルのような女二人とバカでかい声でいちゃついてる。
アンベが振り返り
『またあいつだ!』
その野郎のお父さんは当時日本では一番のギターリストで
オレと同じ茨城の土浦から東京に出てきて努力を重ねて地位と名声を手にした有名人でイロイロな慈善事業も行う人格者でもあった。
あの野郎はそのバカ息子で親の金とお父さんの事務所に所属しているモデルの女の子をとっかえひっかえ連れてこの辺を毎晩飲み歩いているのだ
ふとアンベの目を見ると眼球が戦闘モードに入ってる。
『あの野郎調子に乗りやがって、今日こそゆるさねえ』
おっ待ってました!
映画のかちんこがなってスタート!
すっと立ち上がるとテーブルにあったビール瓶をガッとつかむとテーブルの角に思いっ切り一撃!
がっ気合いが入り過ぎたのか
ビール瓶は粉々に破れて強く握りしめていたので破片が手の平に突き刺さった。
『ギュエッツタタ〜』
手から鮮血が滴り落ちた。
『へっ?!』
『たったっタイム、、』
そのままトイレの洗面所へ走っていった。
壁ぎわのバカップルは何も気づかす大声でイチャイチャついている。
お店のBGMのロックンロールだけが虚しくなり響いていた
う〜ん、アンベやっぱオマエはいろんな意味で最高だぜ。
これで今日の映画のシーンは終わりかと思ったら本当のクライマックスはこの後に待ち受けていた。
そしてアンベとの別れが、、
 続きは 〜 震えて待て




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