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無職15日目 フルメタル・ジャケット

恐ろしく久しぶりにキューブリックの映画「フルメタル・ジャケット」を観た。

初めて観たのは学生の頃だったから、約19年ぶり。

当時、俺は海老名のとあるレンタルショップでバイトしていた。店内のレンタル商品はほとんどがDVDだったけれど、中にはVHSもわずかに混ざっていた。とはいえ、VHSをレンタルする客なんてほとんどいない。場所も取るし、邪魔な在庫でしかない。そこで、VHSをさっさと一掃するべく、レンタル使用済みのVHSを格安で販売するようにしていた。俗に言うレンタル落ちという奴だ。

俺はやる気がなかったので、週に一、二回しか出勤していなかった。出勤すると、レンタル落ちの商品を作ることが多かった。
一本100〜300円くらいなので、気に入ったレンタル落ちVHSは売り場に出さずにバックヤードに保管して、バイトが終わると買って帰った。

「フルメタル・ジャケット」はその中の一本だった。

映画好きを自称していたけれど、当時の俺はキューブリックの映画は「時計じかけのオレンジ」しか観たことがなかった。しかも、あまり面白いとは思わなかった。だからキューブリックには苦手意識があった。しかし、「フルメタル・ジャケット」は戦争映画なので、面白いかもしれない、と思って買った。
まぁ、名作と言われているし、一応観ておくか、という気持ちもあった。「フルメタル・ジャケット」を観たことが無いなんて恥ずかしい、と思っていた。

実際に観てみたら、予想通り、かなり面白かった。それでほっとしたことをよく覚えている。これでキューブリックを苦手だと思わなくて済む、という感じだった。

ただ、まぁ、下品なセリフが引くほど出てくるので、気楽に人にオススメ出来ないな、と思った。特に女の子。ハートマン軍曹のセリフがキレキレ過ぎて、女の子にオススメするのはあまりにも危険すぎる。

改めて観て、当時のことを思い出しながら、あの頃は今よりバカだったけれど、なんだかんだで楽しかったよなぁ、と少しだけセンチメンタルな気持ちになった。
エンディングで流れるストーンズが染みる。

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