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無職20日目 亀川千代の死去

元ゆらゆら帝国のベーシスト亀川千代さんが亡くなった。
またひとり、かっこいいミュージシャンがこの世を去ってしまった。

ゆらゆら帝国を初めて聴いたのは高校生の時だ。当時の俺はロックに飢えていて、洋楽、邦楽問わず、とにかくたくさんのロックバンドの曲が聴きたかった。
しかし、ゆらゆら帝国のことは知っていたものの、バンド名がダサいじゃん、と思って聴いていなかった。ところが、近所のレンタル屋でアルバム「ミーのカー」が「ロック好きならオススメ!」という感じで特集されていたので、試しに聴いてみた。
すると、あまりのカッコ良さにぶっ飛んだ。
暴力的なギター、うねるベース、ヒリつくドラム、サイケデリックな匂いのする歌詞、キレキレなのにねちっこいヴォーカル、そのすべてが明らかに異質というか、今まで聴いたことのない雰囲気だった。
特にタイトル曲の「ミーのカー」は20分くらいある曲で、まるで脳みそが溶けていくような不思議な感覚を味わった。20分もある曲なんてだるそうなものだけれど、聴き飽きることはないし、むしろ気怠さがクセになった。

すぐに他のアルバムも聴き、友達にオススメしまくった。
「夜行性の生き物3匹」や「悪魔がぼくを」は今でも時々ふいに口ずさんでしまうくらいよく聴いていた。

一番好きなアルバムは、初めて聴いたインパクトが大きかったので「ミーのカー」だけれど、一番好きな曲は、ベストアルバムに収録されたバージョンの「バンドをやってる友達」。俺も友達とバンドを組んでいたので、俺たちの曲を、こんな風に好きになってくれる友達がいたらなぁ、と思った。

亀川さんは亡くなってしまったけれど、ゆらゆら帝国の音楽はずっと残る。これからも俺はゆらゆら帝国を聴き続ける。
ご冥福をお祈りします。

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