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アンメット・メディカル・ニーズとは?

ソシウムはこのたび、株式投資型クラウドファンディングによる資金調達への挑戦を決めました。 このnoteでは事業の裏話やビジョン、ソシウムの展望についてお伝えしていければと思います。今回のnoteでは、ソシウムが取り組む「アンメット・メディカル・ニーズ」についてお伝えします。

※ソシウムのクラウドファンディングは、2024年6月9日(日)10:00から開始します。募集ページは以下のURLからご覧いただけます。ぜひ一緒に事業を推進していただける仲間をお待ちしています。



アンメット・メディカル・ニーズとは?

アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)とは、医療が目覚ましく発展した現代においてもいまだに治療法が確立していない、あるいは、現状の治療方法では患者様の負担が大きい疾患に対して、患者様や医師から新しい治療方法を強く要望されている「医療ニーズ」を指す言葉です。がんや認知症、希少疾患といった生命を脅かす重篤な疾患から、不眠症や偏頭痛といった生命に支障はないものの生活の質(Quality of life、QOL)改善のために強く求められている疾患まで、様々な疾患が挙げられています。また、昨今の新型コロナウイルスのように唐突に現れることもあります。こうした健康・生命が脅かされる事態から我々を守り続けるには、絶え間ないイノベーションにより創薬力の強化を継続する必要があります。


ニーズの現状

日本製薬工業協会の医薬産業政策研究所は、新薬の承認および開発パイプラインに関するデータを集計し、アンメット・メディカル・ニーズに対する製薬企業の取り組み状況を継続的に分析し報告しています。図1、図2は、政策研ニュースNo.66 「アンメット・メディカル・ニーズに対する医薬品の開発・承認状況 -2022年の動向-」にて報告された、治療満足度・薬剤貢献度別にみた開発件数、そして、新薬の承認件数です。

治療満足度・薬剤貢献度別にみた開発件数
治療満足度・薬剤貢献度別にみた新薬の承認件数

多くの疾患は、図の右上、治療満足度が比較的高く、治療に対する薬剤の貢献度も高いエリアに位置しています。一方、図の左下、治療満足度が低く、治療に対する薬剤の貢献度も低いエリアには10疾患が位置しています。

右上にあるエリアは、満足度も貢献度も高いことから、一見すると、新規医薬品のニーズが低いように感じるかもしれません。しかし、このエリアに位置する疾患は、今や日本人の死者数の4人に1人を占める「がん」やアレルギー鼻炎、関節リウマチなど、罹患者数が非常に多い疾患が占め、また、まだ満足度が100%に達している疾患は無い状態です。

左下にあるエリアは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や全身性強皮症、特発性肺線維症といった希少疾患が多く位置しています。アルツハイマー病と膵がんについては、比較的多くの開発品目が確認されていますが承認された件数は少なく、その他の疾患については、開発品目も非常に少ない状態です。このエリアに含まれる疾患に対して、治療満足度の高い治療薬をいかに早く開発し患者様の元に届けることが、ソシウムを含む創薬ベンチャー、そして、製薬企業に課せられた課題だと考えます。

このような疾患群において、ソシウムではいくつかのパイプライン(新規医薬品開発プロジェクト)を持っています。ソシウムは、右上のエリアに含まれる前立腺がんや乳がんについて、これら疾患の治療薬として用いられるタキサン系薬剤に抵抗性を示し治療効果が得られにくい「タキサン抵抗性悪性腫瘍」に対して、タキサン系薬剤と併用することで治療効果を高める併用薬の開発を行っています。また、左下のエリアに含まれるALSについては、非臨床試験において効果が示された化合物を発見し、臨床試験の実施へ向けて準備を進めております。


最後に

ソシウムでは、「薬のない人に薬を、薬の効かない人に薬を」をビジョンに掲げ、患者様に一日も早く治療薬を届けることを目指し、新しい創薬技術の開発と並行して、新規医薬品の自社開発も行っています。

また、私たちが目指す世界の実現に向け仲間を増やすことを目指して、株式投資型クラウドファンディングを開始します。ぜひ一緒に事業を推進していただける仲間をお待ちしています。

(株式投資型クラウドファンディングは2024年6月9日(日)10:00から開始します)


参考
製薬協ニューズレター 2023年9月号 No.217 アンメット・メディカル・ニーズに対する医薬品の承認状況