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公徳心(7)道徳性発達段階0-自己中心的判断

スパイト行動について書いた記事で道徳判断基準にも触れました。道徳判断基準について様々な論文が公開されていますが、こちらの研究紀要が一番わかりやすかったです。

段階 0 自己中心的判断(就園前 4歳前後)
自分の欲求が正しいという信念が道徳の判断基準となる。4歳児の自己中心性と2歳児のそれと異なるのは、2歳児は単に自分が「~したい」という欲求が中心になるのに対して、この段階の子供は、自分が欲しいものが叶えられないのは、フェアじゃないという主張が強くなる。たとえば、自分が勝手に砂場でトンネルを作ろうとしていたのに、隣で砂場遊びをしていた兄が自分のトンネルを作ってくれないから悪いと親に泣いて主張しに来たりする。
一見我侭な行動に見られるが、この時期の子供は自分なりの正義観に基づいて主張していることに考慮したい。したがって家庭でも、自分がやって欲しいことを相手がやらないから相手が悪いとは言えないのだということを場面ごとに教えていくことが求められる。

研究紀要 第39号
特集:習得・活用・探究型学力の育成と評価の理論
日本教材文化研究財団

自分の欲求が正義。他者のことを気にしていないのが2歳児レベル。4歳児では、自分の正義に基づいて他者をアンフェアと非難する。道徳判断基準を持ち始めたけれど、自己中心的で、道徳以前のレベル。

自分の希望を公言しなくても、自分の希望通りに世界が回ってくれないと不機嫌になる。4歳児なら道徳発達の入り口に立ったばかりだから仕方ない。

正義感が自己中心的だけど、正義感を抱いた点で2歳児レベルから成長したことを認めてあげて、正義感の視点を外に向けるようにアップデートすることを手伝ってあげる。それがこの年令に相応しい道徳教育でしょう。

4歳児レベルの道徳観。大人でも時々いますね。


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