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【5-10】新型コロナ狂騒曲はショック・ドクトリン序曲

 新型コロナウイルスは果たして、大騒ぎするほどの病気だったのでしょうか。感染拡大の初期段階から「ひたすら毎日、データを見て、日本と世界各国の陽性者数・発症日ベースの感染者数・死亡者数をインフルエンザと比較して、日本人にとっては、コロナは恐れるに足らない」ことを見抜いていた漫画家の小林よしのり氏は、宮沢孝幸氏との共著「コロナ脳 日本人はデマに殺される」(2021年、小学館新書)の中で、緊急事態宣言下の2020年に政府・都道府県が外出や飲食店営業の自粛を要請したことにより、女性と20歳未満の子どもたちの自殺者が前年より50%近くも激増したと憤慨しています。
 新型コロナウイルスのパンデミックではなく、過剰で的外れな対策を強いるインフォデミックが、出さなくてもよい犠牲者を多く生み出してしまったわけです。
 日本では例年、季節性インフルエンザの感染者は約1000万人いて、そのうち約1万人が直接または関連死で亡くなっているのに対して、当初強毒だったとされる新型コロナのPCR検査陽性者は、多数の無症状の人を含めても2020年の1年間で約30万人に過ぎず、うち亡くなったのは4000人余りでした。
 鳥集徹氏が7人の医師へのインタビューをとりまとめた「コロナ自粛の大罪」(2021年、宝島社新書)において萬田緑平氏は、「これまでもインフルエンザや一般的な肺炎で、家や施設にいる体力の衰えた高齢者が大勢亡くなっている。今回の新型コロナでは、そのような人たちに人工呼吸管理をしたり、ECMOをつけたり病院で濃厚な治療を受けさせ、死にそうな人がどうやって死んでいくのかを見て騒いでいるだけ。」と述べています。亡くなった4000人も、PCR検査をしていなければ、風邪をこじらせて肺炎で亡くなったとか、あるいは「老衰」や「心不全」と判定されていたと思われます。
 単位人口当たりの新型コロナ死者数が、欧米に比べて日本が一桁少ない要因についても話題になりました。これについて医師の近藤誠氏は「副作用死ゼロの真実」(2022年、ビジネス社)の中で、欧米から見て日本が特殊なのではなく、「ビア樽型肥満者」の人たちが20%から40%もいる欧米が異常なのであって、コロナウイルスが入ってくれば、全身の脂肪組織が軽度の炎症状態に置かれている人たちが大勢感染し重症化率・致死率が高くなるのは当然だと断じています。
 何が言いたいかというと、新型コロナは風邪の一種であり、感染予防策などなければ、感染して重症化しやすい人たちを救う手立てもないということです。木村知氏が「病気は社会が引き起こす」(2019年、角川新書)の中で述べているように、感染拡大を最小限に抑制するには、日々の生活の中で以下のことを心がけるしかないのです。
・インフルエンザであるか否かにかかわらず、熱が出て具合が悪い場合は、自分自身の安静のためにも、周囲への感染拡大を防ぐ意味でも、何をおいてもまず休むこと。
・風邪に効く薬はない。発熱、喉の痛み、鼻汁、咳、痰といった風邪の症状はウイルスを排除するための自浄力が発揮された結果であり、その症状を薬でなくそうと考えるのはナンセンス。
 風邪に予防薬がないのに、その親類ウイルスである新型コロナに対応するとされるmRNAワクチンに一体何が期待できるのでしょうか。インフルエンザワクチンを毎年摂取していても感染する人は大勢いますし、変異するウイルスにワクチン開発が追いつくはずもなく、当初からワクチン接種には懐疑的でした。ただ、大多数の人たちは怪しい病気に罹りたくない一心から、当然のごとく任意のワクチン接種を受け入れました。
 半強制的なワクチン接種が1年2年と行われてどうなったでしょうか。遺伝学者のアレクサンドラ・アンリオン=コード氏は「コロナワクチンその不都合な真実」(2023年、詩想社)の中で、mRNAワクチンに期待されていた、新型コロナの感染予防・重症化予防・感染拡大予防はどれも実現しなかったと総括した上で、ワクチン接種は「医療行為によって害を与えない」という基本原則に反する背信行為だと糾弾しています。例えば、ファイザー社のワクチン関連資料サイトには、2020年12月1日から2021年2月28日のわずか3か月間の臨床試験結果として、死者1,223人、好ましくない作用15万8,893件の記録が公開されている他は、「データ閲覧できるのは75年と4か月後」と書かれているとのことで、それだけでもワクチン接種の有害性を語るのに十分です。
 ハーバード大学とジョンズ・ホプキンス大学の研究者が2022年9月に発表した内容として、ワクチンの危険度はウイルスそのものの98倍にまでなることも紹介しています。ワクチン再接種の義務化は、血液疾患、免疫障害、肺機能障害、心血管系障害、腎臓損傷・急性肝炎、神経障害、皮膚疾患など多岐にわたる有害事象を引き起こす可能性があるとのことです。
 有害事象は、可能性ではなく、現実になっていることを日本の厚生労働省も公式に発表しています。鳥集徹氏は「コロナワクチン私たちは騙された」(2024年、宝島社新書)の中で、予防接種健康被害救済制度に2023年11月末までに1万件近い申請があり、5000件余りが認定され、うち死亡事例が377件含まれていることを明らかにしています。そもそもこの救済制度に申請するのは相当にハードルが高く、またマスメディアが報道しないため、症状が現れてもワクチンが原因だと気づかずに見過ごしていたり、薄々分かっていても泣き寝入りしたりしている人たちが何倍もいるとみられます。
 健康被害は、先に挙げた有害事象にとどまらず、全身のありとあらゆる部位で起こっています。日本人の年間総死者数は、高齢者の隔離など過剰な対策が功を奏した2020年が前年よりも減少したのに対して、ワクチン接種が本格化した2021年からの3か年は一転して、前年比で5%から9%も増加しました。その結果、平均寿命がその間に約0.5歳も縮んだのです。年間7万人から13万人もの超過死亡は、全身にあらゆる有害事象を起こし得るワクチン接種と密接にリンクしていると思われます。
 国民の約8割がワクチンを接種して99.9%の人は命に別条がなかったと言って胸をなでおろしている場合ではありません。神社の安全祈願みたいに「信じる者は救われる」と言って済ませられる問題でもないのです。今回の新型コロナ騒動では、ロックダウン解雇に始まり、ワクチン接種に同意しない従業員(医療従事者など)が解雇されたり、ワクチン接種したら絶命したり障害を負ったりといった、個々の人生を狂わせて不幸に陥れる事態を現に起こしてきたのです。
 危機感を煽れば、国民を総動員できる、また規制をかけなくても率先して同調圧力を醸成してくれることに味を占めた人たちもいたことでしょう。新種の病原性ウイルスが発見されるたびに非常事態宣言を出してくれたら、一部の製薬会社は濡れ手で粟の莫大な利益を得られ、親交のある医師・政治家・メディアも恩恵を受けるわけです。新型コロナ騒動がショック・ドクトリンの序幕にならないことを祈るばかりです。


高木 圭介
E-mail: spk39@outlook.jp

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