プロDD・M ~その553

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

「ライコ!ライコ!てめぇ……!」
 首に刃を突き刺され、地面に倒れるライコを見て、アッキーは叫んだ。
 しかし、敵の姿は見えない。
「くそっ!!」
「次はあんただ、アッキー。のこのことこの亡国へとやって来た愚かな男。かつて不死王と呼ばれたあんたの権能…もう不死身じゃあないんだろっ!アッキー!」
 刃がアッキーを襲った。
「くおお!」(力が沸かない…俺の中にあるはずの群青が……消え……..)
 無我夢中で腕を振り回したアッキーは何とか急所を避けていた。
「無様だな!」
 しかし、襲撃者の攻撃はやまない。
Starry Dance!」
 光を纏ったアッキーの舞い。攻守一体のその技は、敵の攻撃を防ぎつつ、反撃を与えるの適していた。だが….。
「足取りが鈍いぞ!アッキー」
「ぐあぁ…..!!」(力が…入らない!)
「かつてその名を轟かせた男も所詮はこの程度ということか」
「貴様…..何者だ…….」
「俺の名はイマセン……」
「イマセン……?」
そこにいるのに、イマセン。俺の名を笑ったものは全て死んだ
(姿が…見えねぇ….)
 その時だった、突如周囲が明るく照らされ、イマセンの姿がその場に浮かび上がったのは。
Be BRIGHT……」
「ライコ!!」
「アッキーさん…相当高くつきますぜ…こいつぁよ」
「ああ..だがよくやった!」
 アッキーはイマセンへ向けて動いた。
「馬鹿な!なぜだ!確実に首を」
ESCAPiSM……俺にとって不都合な現実から逃避する……!」
「これが…オーケストライコ…..!!なんてこった..警戒すべきはアッキーより、よほど貴様だったな」
「何言ってやがる。俺の依頼主に手を出した時点でお前は詰んでんだよ
 そして、姿を現してしまったイマセンは、アッキーの攻撃で葬られる…はずだった。
 しかし、あと一歩のところでアッキーの動きが止まった。
「何……!?これは….」
TORIKAGO
 アッキーは、自身の周りを見えない籠が覆っている事に気付いた。
 そして、それを見たイマセンが振り返り、その名を呼んだ。
ケイさん……」


 ソバシが戻ると、エーケーは部隊を再編成し、消し炭の魔女軍団の一掃に向かった。
「エーケーさん…精鋭を揃えたよ…」
「よくやった、ソバシ。これから一気に消し炭の魔女の勢力を潰す。今、灰かぶりの連中も、そこにいる。しかも、要の消し炭の魔女は封印されていて動けない。これは好機だ。それ以外の何者でもないではないか」
「わかってる。俺達、81は全てあなたに従います」
 ソバシの傍らには、その召喚者NDKの姿もあった。
「スミオ、行くよ」
「待て、NDK。俺には娘を守る義務がある」
「馬鹿なこと言ってんじゃあないわよ、それじゃあその女も連れてきな」
「娘を危険な場所へ連れていく父がどこにいる。そこまで言うなら、もう1人の俺だけ同行させよう」
 ジャスティススミオが促すと、フリーダムスミオがすっとNDKのもとへと歩み寄った。
「仕方ないわね、今回はこれでまけとくよ」
 ジャスティススミオは、NDKが笑ったような気がした。


「圧倒的だな、コジオ」
「ナガツキ、ようやく来たか。ニシは?」
「ニシさんは、なんかよくわからんハゲと交戦しながら、どこかへ行った、すぐ戻ってくるだろう」
「そうか」
 コジオは笑った。その周りには消し炭派の者達の死体が積み上げられていた。
 トンジルスキーとイーも無数の矢を身体に受け、果てようとしていた。
「消し炭の魔女も他愛のないことだ。所詮は古き時代の遺物」
「ヨシケーか」
「ほぅ…お前もやるようだな、コジオか」
「何をしに来た?」
「お前達といっしょだよ」
 ヨシケーも精鋭を連れて、消し炭の魔女一味の討伐に訪れていた。
 そして、81も到着した。
「封印されている消し炭の魔女は、何も出来ぬ。ここは俺が食い止めるしかない」
「おい、ノコッチ!あの人数を相手に、無茶だ!」
「オーハシ、消し炭の魔女を頼む」
「おい!ノコッチ!!ノコッチー!!」
 消し炭の魔女が封印されし場所へと進む強敵達。
 その前に、ノコッチがただ1人、立ちはだかった。
「なんだ、ノコッチ。お前1人で俺達を止める気か?」
 コジオは笑った。
「消し炭の魔女など、もはや守る価値もあるまい。俺達もまた消し炭級よ」
 ナガツキもあきれている。
「この剣と奴の炎、一度交えてみたかったのだがな。俺も消し炭級などと呼ばれていたからな」
 ヨシケーも剣を抜いた。
 ノコッチの後ろから聞こえるオーハシの声はもう小さくなっていた。
「ノコッチ!お前、逃げろよ!無駄死にだ!勝てっこねぇ!!」
 その言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか、ノコッチは言った。
「俺はタケ公ノコッチ……今度こそ愛する人を守るだけだ

 マルスが目を覚ますと、目の前には怪しげな微笑みを浮かべる男が立っていた。
「ここは…どこだ…」
「地獄だよ…兄さん、うふっ」

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