プロDD・M ~その552

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

 ライコはじっと動きを止めて、周囲に神経を尖らせた。
 汗が滴り落ちる。
(っっっきた)
 ライコの拳が闇の中に突き出された。
 しかし、手応えはなかった。
「惜しい、もう少しだったね」
 次の瞬間、アッキーの目に、ライコの首に刃が入るのが見えた。
「ライコーーーーーー!!」


「兄さん…また会える日をどれだけ心待にしていたことか…」
 カエルは不気味な笑みを浮かべながら、マルスに近づいた。
「俺は、待ってなど…うっ!」
 マルスはその場から飛び退こうとしたが、体が動かなかった。
「ああ…兄さん、兄さんもそんなに嬉しいんだね」
 そう言うと、カエルは、マルスを抱き締めた。
「くっ…離せ!」
「離さないよ、兄さん。安心して、僕は兄さんを醜い化け物になんかしないから」
「うおおおおおおお!!」(動けない…カエルのヲタクエネルギーが俺を凌駕しているとでも言うのかっ!)
 さらに、マルスは力が抜けていくのを感じた。
 気付けば、カエルに首を噛まれていた。
(な、何をやってんだァァァーーー!てめぇえええ!!…..血を……!吸っているッ!?)
吸血鬼純情
 マルスの血を吸収し、カエルの力はみるみる増大していった。
「あ…ああ……」
「うむむむ~~~んんんんん!予想通り兄さんの血は馴染む。この肉体に実にじっくり馴染んでパワーが今まで以上に増大したぞ!馴染む、実に!馴染むぞ!フハハハハハ、フフフフ、フハフハフハフハ、フハハハハハハハハハハハハハハハ!フハフハフハフハ、フハフハハ、フッフッフ、フハハハハ!
 その時、カエルへ向けて飛びかかる男がいた。
「マルス!!今たすけるぞ!!」
「ちィ!!虫がッ!!僕と兄さんの邪魔をするんじゃあないッ!!」
 ガリを迎撃しようとしたカエルだったが、マルスに噛みついたままでは、さすがに抵抗できなかった。
 仕方なくカエルは吸血を中断して、マルスから離れた。
「ガリ……!!」
 マルスは必死にそちらをみた。その時、後ろから酒球がカエルを襲った。
「マルス!一旦下がれ!こいつはヤバい!!ハッチャン、援護しろォ!」
「任せて!ガリさん!」
 ハッチャンの放った酒球がカエルにぶつかり、カエルはさらに後退した。
「だ、ダメだ..ガリ…!ハッチャン…!そいつは……」(くそっ…血を…吸われ過ぎた…..)
 マルスの意識は、薄れていった。そして、戦いの音は激しくなっていった。


「ふむ、誰が走馬灯を手に入れると思う?」
 王の騎士団を率いるレオンは、戦況を見つめながら、部下のキーリに尋ねた。
 しかし、キーリはそれにすぐ答えられなかった。
「いえ、私には、予想もつきません」
「で、あるか。カニはどう思う?誰が優勝候補だと」
 すると、カニは、走馬灯戦争参加者をまとめた資料を見ながら、解説を始めた。
「新生ライチパーティーのライチ。彼は4000人の女を連れて世界各国を旅していた。ルックスもイケメンだ
「ふむ…ライチか。彼が勝てば映えるな。これがショーであるならば、な」
 すると、隣で聞いていたヤ・ノが口を挟んだ。
「81の偉大なる指導者エーケーは、他のヲタク達を引き連れての参加だ。彼はかつて未開の荒野をその身と剣1つで周回していた」
「だが、今、その剣はない。折れた。それでも彼がやれると思うかね?」
「ええ、今の彼には、その剣の代わりとなる部下がいる」
 ならば、と、キーリも切り出した。
「六文屋街から来た剣術の天才は、技のヨシケー。彼は檸檬地方を征服した十傑檸檬の子孫です」
「見た。あの腕、まさに神業と言っていいだろう」
 そして、レオンは最後に問うた。
「マルスはどうだ?」
 しかし、皆一様に首を横に振った。
「その者は今にもカエルに殺されようとしているではないですか」
「貴様らはDDの真の恐ろしさをまだ知らぬようだな。そう…..DDの真の恐ろしさを…..」


「イッタイコイツハ…コイツノ強サハ……」
「強いゾ☆強いゾ☆」
 イーがぺっと血を吐き、トンジルスキーが腹を押さえながら立ち上がった。
「消し炭の魔女が集めたというから、もっとやれる奴らかと思っていたが……フハハハハ、他愛ない!」
 2人の前に立つ男の名は、コジオ。
「マダダ…ココデ倒レタラ、面目ガ立タナイ」
「消し炭の魔女様の封印が解けるまで、ここは抑えるんだゾ☆」
 その後ろでは、ノコッチがオーハシを急かしている。
「まだか、オーハシ!封印は解けぬのか!」
「こいつはえらい頑丈だぜ…やはり元凶と断つしか..」
 そうしている内に、コジオとの戦いは進んでいた。
「ナ、ナンダ!奴二触レラレタ部分二的ノヨウナ模様ガ!」
 コジオは不敵な笑みを浮かべていた。
DDDecided Darts!もうお前達は、俺の矢から逃れられない」

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