プロDD・M ~その558

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

「さっきはちょっと油断しちまった。そもそも最初から仲間じゃあねぇのによォ…..」
 コジオは立ち上がりながら、ぺっと唾を吐いた。
 それを見てヨシケーは一度納めた剣に再び手をやった。
「驚いた。確実に息の根を止めたと思っていたが」
伊達にDDは名乗っちゃいないんでね
「無駄なことだ。消し炭の魔女が本気を出せば、この場の全ては灰になる。俺やお前がいくら抵抗したところで結果は同じなのさ」
「ヨシケー…いつから諦めてんだ。俺は何も諦めてねぇぜ」
「貴様は現実を知らん。その夢は悪夢へと変わるだろう」
 ヨシケーの剣が抜かれた。その神速の一撃は、コジオの首を狙い放たれていた。
「!?」
「ここを狙ってくると思ってたぜ……狙いがわかれば、止めることなどッ!!」
 コジオの矢がヨシケーに向けて投げられた。
 その至近距離からの一撃を、ヨシケーは凄まじい反応速度で止めた。
「さすがだ、ヨシケー。この一撃を剣を戻して止めるとは。だが、これで詰みだ」
「無駄だ!コジオ!矢の速度では俺の剣は突破できぬぞ!!」
 しかし、次の瞬間、ヨシケーが見たのは、コジオの持った銃だった。
(矢は囮…..!しまっ……)
 その引き金は引かれた。
「ぐっ!!」
 それでも致命傷を避けたヨシケーは、次の引き金が引かれるまでの間に反撃を試みた。
「その僅かな隙が命取りだ!コジオーーー!!」
トリガーリフレイン
「!!!?」
 だが、ヨシケーが思うよりも圧倒的に速く、何発もの弾丸がヨシケーの身体に食い込んでいた。
「繰り返される銃撃は決してお前を逃がさない」


 ニシは、消し炭の魔女を前にしても怯みはしなかった。
 そして、堂々と攻撃を仕掛けた。
金平糖ラブ!!」
 カラフルなオーラを纏ったニシのヲタクエネルギー弾が、無数に飛ぶ。
「甘いわ」
 それを難なく消し炭の魔女は灰にしていった。
「ほぅ…女神の力が弱まっているこの世界で、俺の人工女神は最強かと思ったが、さすがは消し炭の魔女、まるで相手にしていないな、だが安心するのはまだ早い、今のはほんの小手調べだ」
「ずいぶんと口数が多いわね、焦っているのかしら」
「ほざけ。星屑ラプソディ…..」
「似たような技ね」
「なっ…」
 さすがのニシも驚いた。消し炭の魔女は技の発動を完全に読み切り、発動直後に全てを消してみせたのだ。
「もう飽きたわ。あなたのそれは、暴力とも呼べない」
「貴様!この俺を愚弄するかっ!!」
「はぁ……見せてあげる。本物の暴力…..Beady Riot
「ぬぁぁぁああ!!」
 無数の炎の腕が地中から飛び出し、ニシをボコボコに殴っていく。
「自身の力を過信した者から死んでいく。それが世の理よ」


 地獄DATE、そう叫んだカエルの周りに、死の香りが立ち込める。
 それから程なくして、ツムギは身体に噛まれた痛みを覚え、必死に振り払った。
「ゲコハハハハ!!どうだァ!ツムギィィィ!!死霊に身体を喰い尽くされる気分はァよォオ!!」
「見えない敵……無数にいるッ…….」
「ここは戦場だァ!死が充満しているッ!最高の気分だぜェェェェェ」
「外道がッ……!」
「何とでも言えよ、ツムギィィィ!!」
 ツムギはどんどん噛みつかれていった。
 それでも、見えないながらも抵抗する。
 幸い触れることは出来た。ツムギの呪いの力を解放した拳は、それらを撃退できた。
 しかし、キリがなかった。ツムギは追い詰められていった。
「う….く……マルス……」
 ツムギは死んだ恋人の名前を呟いた。
 しかし、それはもう届かない。
 その時、ふとマルスの魂も、この辺りにあるのかと考えた。
(どうして…そんなことを考えてしまうのだろう….もうあの人はいないのに…..でも、カエルに操られるのだろうか…..カエル…..マルス…..兄弟…….はっ)
 ツムギはその時、あることを思い付き、それに賭けた。
 カエルは沈んでいくツムギの様子を見ていた。
 既にカエルの肉体は朽ち果て、滅びつつあった。
 それでも、カエルは、やるべきことがあった。
(このクソ女だけはッ!この手で喰い殺さなきゃ気が済まねぇええええええ)
 そして、カエルは機を待った。
 ツムギがもはや抵抗できなくなるその時を。
(来たぜッ!ツムギはもう力がまるで残っていないィィィ!!)
 カエルは飛びかかった。そして、ツムギにかじりつこうとした。
 その時、もう動けないかと思われたツムギの目が輝きを取り戻した。
「なァ!?」
「来ると……思ってたわ……あんたは……必ず……自身の手でとどめを刺しに来る……と…….」
「バァカァなッ!!ぶぐえへぁ!!」
 脳が腐りかけていたカエルに、複雑な思考はもはや不可能だったのだ。強烈なエルボーがカエルの顔面にクリーンヒットした。
「この余談エルボーはマルスの分だ…顔面の骨が粉々になったようだが、それはマルスがお前の顔を潰したと思え…」
「ああっあぐあぁあ!」
そしてこれもマルスの分だッ!
 さらにもう一発の余談エルボーがカエルの肉体を砕く。
「ぬぐあぁいいおおおお!!このカスにぃっ」
「そしてこの次のもマルスの分だ、その次の次の次のも、その次の次の次の次のも…その次の!次も!マルスの分だあああーーーーーッ!!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!マルスの分だーーーーーーーーーーーーッ
「おぐろぺっほんぺろぽれぽよぽぽぽふげらっちょぽあげこげこりんっぽぷれぺりあーーーーーーー」

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