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自分らしさが見つかるメガネ屋さん【マトイオプティカル】

なんだか好きだなあ、と感じるお店には、いい空気がただよっている。それはたぶん、「人を想う気持ち」のようなものなんじゃないかと思う。わたしがこれまでに出会った「人を想う店」を、勝手気ままに紹介していきます。

第1回は、メガネの悩みに寄り添って、「似合う」をいっしょに見つけてくれるメガネ屋さん。

顔の印象を大きく左右するアイテムのひとつ、メガネ。

でも、意外と自分で似合うものを選ぶのって難しいですよね。

わたし自身も、長い間メガネ迷子でした。

とくに「ド」のつく近視のわたしの場合、気に入ったメガネを買っても、レンズを入れてみるとなんか違う、ということもしばしば。せっかく買ったメガネが箪笥の肥やしに、なんてことも……。

そんなわたしを救ってくれたメガネ屋さんがあります。

それが、マトイオプティカル。

国内外から、さまざまなメガネを仕入れて販売するセレクトショップです。

かわいいメガネがたくさんあるのはもちろん、店員さんの接客やお店のSNSからも、「メガネをもっと楽しんでほしい」という気持ちがビシバシ伝わってくる、本当に素敵なメガネ屋さんなんです。

わたしと同じようにメガネ選びに悩んでいる方にぜひ紹介したい!と取材を申し込んで、東京都世田谷区にあるお店を訪ねました。 


強度近視の人にも、選べる幸せを

サブカルチャーの中にどこか下町の雰囲気が残るまち、下北沢。

下北沢駅から5分ほど歩くと、若者でにぎわう雑多な通りの中に、小さな白い看板が見えてきます。淡い水色の店構えは、おしゃれなカフェかお菓子屋さんのよう。

ガラスの扉を開けると、店員のうどんさんが笑顔で迎えてくれました。

明るい店内には、シンプルなものからカラフルなものまで、メガネがずらり!

一つひとつ手にとって眺めたくなるような、個性あふれるメガネが並んでいます。


「この土地は、昔からメガネ屋さんだったんですよ」と、うどんさん。  

お店のスタートは2007年。 それ以前にも別のメガネ屋があったそうです。2019年には、神奈川県横浜市、日吉に2号店・マトイニコメをオープン。2つの店舗合わせて、国内外18ブランドのメガネを取り扱っています。

中でも、とくに強度近視の人におすすめのメガネが、商品の4割近くもあるのだとか……!その力の入れようは、メーカーにかけあって特注フレームをつくったこともあるほど。

メガネ好きが高じて、OLから転身。いまでは100本以上のメガネを持っているという、うどんさん


いろいろなメガネがある中で、どうして強度近視向けのメガネを?

きっかけは、インスタグラムの投稿だったそう。

「インスタでいろんな記事を書いている中で、強度近視さんに向けての記事をたまたま書いたら、それがすごいバズって。それで、地方も含めていろんなところからお客様が来るようになったんです」

それだけ必要とされていた情報、ということなのでしょう。

なぜかといえば、強度近視の人ならではの悩みが……

✅ 目が小さく見える
✅ 顔の輪郭が凹んで見える
✅ レンズが分厚くなる
といった、試着した時と完成した時のギャップ。

マトイオプティカルHPより

そうならないためのポイントは、「“レンズサイズは小さめ”“目元がくっきりするデザイン”を選ぶこと」が大事なんだそうです。

お店のインスタグラムやホームページでは、そんな強度近視の人向けのメガネ選びのコツが、詳しく紹介されています。

わたしもはじめてマトイさんのインスタグラムを見たときは、「そんなこと、誰も教えてくれなかったじゃん!!」と叫びたくなりました(笑)。

「うちでは、いろんなブランドの小さいフレームを集めていて。選べるって幸せですよね。お洋服とか使うシーンによって、メガネが2、3本あれば雰囲気を変えられる。そうできるように、ご提案できればと思っています」


考えすぎず、素のままで来てほしい

明るくおしゃれな雰囲気の店内。奥のスペースで、視力検査やメガネの調整をしてもらえる


そうはいっても、自分で選ぶ自信がない……という人もいるかもしれません。

でも大丈夫。

マトイオプティカルでは、店員さんが親身になって、似合うメガネを提案してくれます。

「お洋服と違ってメガネって、一生で何回も選ばないじゃないですか。絶対自分で選ぶって難しいと思うんですよね。その方に似合うかどうかは、着ているものとか、話し方とか、お仕事の内容とか、どういうシーンでメガネを使うか。お顔の形や、黒目の距離によっても変わってきます。あとは、ご本人のほしい雰囲気を聞きながら、色や形を提案しています」

さすがはプロ!そんなにたくさんの判断基準があるなんて、知りませんでした。

でも、それだけポイントがある中で、買う側は何を考えて行けばいいのでしょうか……?

うどんさんに聞くと、「あんまり考えないで、素のままで来てほしい」と、ちょっと意外な答え。

「あまり固定観念を持たないで来てもらえると、いちばん似合うものを提案しやすいというか。まっさらな感じで来てもらえるのが、いちばんかなと思います。
たとえば丸顔だったら丸メガネはダメとか、最近だと、イエベ・ブルべ(※)とか、流行ってますけど……。わたしはブルべだからこの色じゃないとダメ、みたいに考えちゃうと、ぴったりのフレームってなかなかない。そういうのを考えずに、身を任せてもらうのがいちばん、似合うのを見つけやすいかなと思います」

※イエローベースとブルーベースの略で、肌の色の傾向を表したもの

逆説的なようですが、似合うものを決めつけないことが、似合うを探す第一歩なのかもしれません。

身を任せても大丈夫!と思えるくらい、プロがしっかり選んでくれる安心感が、マトイオプティカルにはあります。

店内には、大きな鏡。顔だけでなく、全身を見ることもメガネ選びのポイントなんだとか



新しいメガネをかけると、見慣れた自分の顔が違って見えます。

だからこそ、違和感もあるし、はじめて人に見せるときはドキドキするもの。

「周りも自分も、だんだん慣れてきます。最初の一歩だけ、勇気を出してもらえたら」と、うどんさん。

「メガネは、言ってみればアイコン。顔の中心にあるものだから、その人のすべてを表すもの。四角いのかけてたら、仕事ちゃんとやってくれそうな、信頼できる人だなとか、丸だったら、楽しそうな人だな、とか。その人のキャラを表してくれるものになるといいなと思ってます」

その人のキャラクターを表すものだからこそ、変化を楽しんでもらいたい。

キラキラした目でメガネを語るうどんさんからは、そんな思いが伝わってきました。


遊びに来たいお店に

親子連れのお客さんが、店員とのおしゃべりを楽しんで帰っていく

店長の島田ゴーキョーさんと、妻のマイコさんの2人ではじめたお店にはいま、うどんさんを含めて4人の店員さんがいます。

どの店員さんも、たしかな技術とメガネ愛を持っていらっしゃるのが印象的でした。

お客さんは30~50代がメインですが、お年寄りや家族連れもいらっしゃるそう。

インタビューの間にも、小さな男の子を連れた女性が来店。子どもが店内を元気いっぱい駆けまわる姿がありました。

「遊びに来るように、来てもらえるお店になるといいなと思います。メガネ屋さんって、ちょっと入るのに勇気がいるじゃないですか。きれいな雰囲気で、スーツの人がいたりとか。そういうのじゃなくて、ゆるーっとした感じで。まったりと、流行を追うこともなく、みんなと仲良くできたらいいな」

うどんさんの言葉通り、メガネの調整を口実に、つい立ち寄ってしまう客の1人がわたしなのですが……。

メガネを買うと、袋に似顔絵を描いてくれる。オープン時から続けているサービス




メガネに悩んでいる人にこそ、マトイオプティカルに行ってみてほしいです。

そして、気軽に店員さんと話してみてください。

きっとぴったりのメガネが見つかりますよ。


マトイオプティカル
〒155-0031 
東京都世田谷区北沢 2-34-10 植木ビル1F
TEL&FAX: 03-3485-5115

マトイニコメ
〒223-0062 
神奈川県横浜市港北区日吉本町1-18-17
日ビルマンション1F-B
TEL&FAX: 045-620-0045

HP https://matoi.main.jp

毒にも薬にもならない文章ですが、漢方薬くらいにはなればと思っています。少しでも心に響いたら。