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ようこそ、赤ちゃん

2022年8月9日、子どもが生まれました。
その前日からの記録です。

8/8 出産前日 
朝9:00過ぎに家を出て、病院に向かう。

11:00ごろPCR検査を受け、2時間後に結果が出るというのでお昼を食べに行く。肉が食べたくてビッグボーイに落ち着き、ハンバーグと、欲張ってパフェまで食べた。

2人の会話はいつも通りだけど、なんとなくソワソワしてしまう。

13:00に病院に戻り、PCR検査の結果を聞いてから入院手続きへ。入院病棟のエレベーターのところで夫とはお別れ。夫は恥ずかしそうだったけれど、迎えの看護師さんが来る前に、しばらく手を握っていてもらった。いってらっしゃい、いってきます、とタッチして病室へ。

病室に着くとすぐ、赤ちゃんの心音を聞く検査、エコー検査、手術の説明など。赤ちゃんは手足をピーンと伸ばして、とても元気な様子。よかった。一通り終えるとひまになり、スマホばかり見てしまう。

明日にはわが子の顔を見られるというのが、信じられない気持ち。

不思議なことだ。お腹の子と過ごす最後の日、生まれた子と過ごす最初の日が、立て続けにやってくる。

8/9 出産当日
7:00ごろから、手術着に着替えて着圧ソックスをはき、点滴の管を入れる。赤ちゃんの心音モニター再び。力強い鼓動が聞こえる。「急に心拍数が上がることがあるけど、元気に動いている証拠なので、いいことなんですよ」と看護師さんが言ってくれて安心した。赤ちゃんは臍の真ん中に陣取り、今日もよく動いている。

手術に呼ばれるのが何時かわからなかったので、呼ばれるまではとにかくひま。音楽を聞いたり、育児のYouTubeを見たり、友達とLINEしたりして過ごす。

10:00ごろ、医者が来て赤ちゃんの位置を再度確認。やっぱり逆子とのこと。このときの先生2人が手術を担当してくれることになる。

そのあと、事件発生!(※汚いです)
昨日から環境が変わったせいか大便が出ず。浣腸をしてもらったら、すぐにものすごい便意が!10分くらい我慢してくださいねと言われていたけど、我慢できずに、お漏らし、、、
看護師さんたちがあわてて容器を持ってきてくれて、その中に…。人生初、人前で大をする。申し訳ないけどスッキリした。

12:00ごろから抗生剤などの点滴開始。手術13:00になりましたよーと看護師さんが来て、いよいよ!と気が引き締まる。 

歩いて手術室へ向かう。
手術台で体を横向きにして丸めて、背中に麻酔の注射。これが痛い。というか反射的にビクッとしてしまう感じ。何回か打って、しばらくすると足が温かくじんじんしてきた。氷を肩や胸やお腹に当てて、麻酔が効いているか確認される。

手術の間も、温かくて、じんじんして、なんか気持ちいいな、眠いなーという感覚。うとうと夢心地。触られたり引っ張られたりする感じはあるけど、気持ち悪くはない。「子宮切りまーす」などと聞こえてドキッとするが、全く痛くはない。麻酔ってすごい。

しばらくすると、「足出します」「右肩出します」などと言っているのが聞こえて、いよいよか、と思っていると、「フギャッ」という産声がすぐ聞こえた。産まれましたよーおめでとうございますーと口々に。赤ちゃんはめちゃくちゃ元気にフギャフギャ泣いている(助産師さんが、「あっちこっちのコードを引っ張りまくって、ものすごく元気でした」と、あとで教えてくれた)。

お腹を縫われながら、赤ちゃんの顔を見せてもらう。クシャッとした赤ら顔で、不細工だけどすごくかわいい。涙が出る。手のひらを触ると、きゅっと握り返してくれた。はじめまして。この世界へようこそ!ここはきっと楽しいところだよ。

赤ちゃんはすぐに別室に行ってしまって、しばらくわたしの処置が続いた。医者からお母さん、と話しかけられて、ああ、わたしお母さんになったんだな、夫はお父さんになるんだな…と感慨深くなる。

ベッドに乗せられて移動しながら、天井ばかり見ていると、もしかして赤ちゃんの視界ってこんな感じなのかな、などと思った。部屋に戻ってからも下半身の感覚がなく、されるがまま。今度は、下半身付随の方ってこんな感じなのかしら、などと考える。

部屋に戻ってきてから、胎盤を見せてもらった。手袋をして触る。ザ・臓器という感じ。臍の緒とか、赤ちゃんが入っていた袋とか、解説してくれておもしろかった。

19:00ごろ、ベッドではじめて抱っこ&授乳をさせてもらった。まだ母乳は出ないけど、チュパチュパ頑張って吸っている。右胸から左胸に変えると、急に大人しくなって吸わなくなり、かと思うと思い出したようにまた吸いはじめた。ぬくくて、やわらかくて、小さくて、本当にかわいい。はじめて、名前を呼びかける。頭を撫でる。鼻やほっぺを触る。頭は焼きたてのシフォンケーキのような甘い匂いがした。

夜、麻酔が切れてくると、お腹に鈍痛。後陣痛&お腹の傷の痛みで、なかなか苦しい。じっとしていればそこまで痛くないが、床ずれ防止のために寝返りをうたないといけないので、そのときがめちゃくちゃ痛い。痛みの合間合間に眠る。

毒にも薬にもならない文章ですが、漢方薬くらいにはなればと思っています。少しでも心に響いたら。