試験合格

『ふー、もう、あとは、時間が無駄に過ぎるだけだな』
目の前にはパソコンのディスプレイがある。その画面には、試験問題を解き切った後に表示される見直し画面があった。内容として、問題番号と選択した解答が一覧となり表示されている。
『何度か見直したけれど、これ以上、見直しをすると、逆に正しい解答を誤った解答にしてしまい兼ねない。そろそろ、潮時か』
私には、高校生の頃、テストの見直しをし過ぎて、正しい解答を誤った解答に直してしまう、という過ちを何度も犯したという前科があった。そんな過去の記憶もあり、テストの時間はまだ20分ほど残っていたのだが、私はテストの終了ボタンを手で握りしめたマウスを用いて、押すことにした。
「カチッ」
『………どうだろうか』
画面には、「おめでとうございます。あなたは試験に合格しました」と表示されていた。
私は、画面を見て、呆然としたが、今までの労力が報われたことが徐々に、理解できはじめ、自然と口元の口角が上がっていくことを感じた。