酒を飲む理由
一日頑張って働いたあとの一杯は間違いなく旨い。
運動、風呂、サウナなどでガッツリ汗を流した後の一杯も格別に旨い。
おいしい料理と一緒に飲む一杯はお腹と共に心も満たしてくれる。
仲のいい友達とワイワイ楽しく飲む酒もおいしい。
酒って味もおいしいけど、場面があってなんぼなものなんだと思う。
飲む時の場所、気候、時間帯、一緒に飲んだ人、体調、気持ちなどなど。飲んでいる時の場面やら文脈やらで酒の「ウマさ」って変わってくるから不思議。
そもそも人生っていうのは、こういった場面たちが繋ぎ合わされて構成されているものだから、人によっては酒を飲む理由が多くなる時がある。
というか、理由をこじつけて飲もうとしたりもする。
これはアルコール使用障害じゃなくてもあるんじゃないだろか。正月は朝っぱらから日本酒。なんて人は多いだろうし。
そんなわけで、酒を飲む理由っていうのは日常にあふれかえっている。
でもそれは、場面を楽しむひとつの手段であって、酒を飲むことが目的ではない。
この線引きってすごく大事で、俺なんかの場合はここがあやふやになっていったのかなと今だから思う。楽しい場のお供だったはずの酒が、気がつけば目的に。
もちろん、ただ酔いたいから飲む日だってあってもいいと思う。特に酒を覚えたてはそういう飲み方が多くなる。大学生の飲み会とか。
それでも年齢を重ねるにつれて、段々と酒の飲み方を覚えてうまく付き合えるようになっていく。大抵の人達は。
でも、俺は違うみたいで。相変わらず飲むと歯止めが利かない。
もうすぐ酒を飲みはじめて15年になるけど、俺は結局うまい付き合いかたを確立できなかった。というか、世の中にはお酒と付き合っていけない人間もいることを最近になって知った。
それがアルコール使用障害ということ。
アルコールは合法のドラッグだから、使い方を間違えると危ない。うまく使えないなら使わないほうがいい。
そういうわけで、自分はアルコールを上手に使えない人間なんだって気づくまでに時間はかかったけど、飲むことをやめるという選択に至った。それが一週間前。
まだまだ前途多難だけど、一日ずつ断酒に取り組んでいこう。
酒を飲む理由のない生活は、少しこころが軽い気もする。
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