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地下鉄を降りて地上へ出る。 陽の落ちかけた歩道が一面茜色に染まっている。 通りを歩く人々の顔をなんとなく眺めて歩きながら、陽菜はあの雪の日の出来事を回想していた。 かじかんで真っ赤になった指先。 頭や肩に薄く積もって溶けた冷ややかな雪の感触。 白い息。夜の闇。 書き上げていた小説は、クボさんとミカミネさんの一件ですっかり頭から抜けてしまい結局お店に置いたまま、あの火事で焼けてしまった。 コラフを最後に出て帰りに立ち寄ったデビさんのコンビニで 一個だけ残っていた大きな豚まん