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本当のお宝探し

下の子は相変わらず恐竜が大好き。そんな恐竜熱が冷めきらないうちに、と化石発掘体験に行ってきた。


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場所は山梨県北杜市。平山郁夫シルクロード美術館というところで毎年行われている人気企画だ。

昨年も応募したのだがあっという間に定員に達してしまったようで、今年にかける我々の決意は並々ならぬものがあった。僕と妻とで申し込みをし、なんとか予約を取れた時は、ちょっとした化石を見つけたくらいの達成感だった。


そして当日。
会場には思い思いにお気に入りの恐竜Tシャツを身に着けた子供たちがその時を待っていた。みんな恐竜好きなんだなぁ。

内容としては9000万年前の地層の土から化石や琥珀を見つけ出すというもの。発掘というからてっきりハンマーとかノミを使ってカンカン掘り出すのかと思っていたが、実際は道具は一切使わずに、平たく広げた土から肉眼で探すようで正直地味な作業だ。だが何でもとりあえず楽しんでみるのが我が家のモットー。中にはサメの歯や恐竜の化石といったお宝(通称「プレミア化石」と呼んでいるらしい)もあるかもしれないとのことで、宝探し好きな我が家はみんな目を輝かせて参加していた。


制限時間は1時間。長いようであっという間だ。気になるものが見つかったら講師の先生に見てもらえるのだが、石炭や火山灰が固まったもの、琥珀なんかはちょこちょこ見つかるが、肝心のお宝はまだない。石も手で割れるくらいの脆さだったので、割って中まで探してみるもなかなか見つからない。時間の経過と共に次第に疑念が湧いてくる。


そんな中、複数あるテントの別グループからついに第1号のプレミア化石が見つかったと報告があった。単なる琥珀ではない虫入りのもののようだった。「本当にあるんだ・・・!」俄然張り切る参加者たち。この一報を皮切りにみんなの目の色が変わり、会場のボルテージも上がっていった。我々家族にいたっては、気づけば4人全員が先生の元へと並んでいたこともあった。熱中しすぎて写真を撮るのも忘れた。


残り15分ほどのタイミングで、僕は遠目で見ても明らかに琥珀と分かるものを発見した。今まで散々見つけた石炭や、”っぽい”何かではない。土を払うまでもない、これは、と思えるものだった。先生に見せると「ほうほう」と覗き込んでいた。ただこの先生はとりあえず何を持っていっても食いつくような反応をしてくれるのだ。演出なのだろうが、その後結局「これは石ですね」とか「砂の固まりですね」とかなってズッこけることになるので、まだ期待はできない。

しかし今回は違った。もう一人の先生にも渡して、よりよく見てもらったのだ。こちらの先生もその道の権威、早稲田大学の教授でもあるらしいのだがニヤリと笑った。結果はなんと虫入り琥珀、プレミア化石だった。

はい、プレミア化石出ましたー!」司会の人が盛り上げてくれて拍手がパラパラと沸き起こる。みんな自分もと必死なのでその音はまばらだ。僕は内心小躍りしたい気持ちをグッと堪えて、発見した後の手続きに入った。

見つけたプレミア化石は研究材料として提供しなければならないが、発見したという功績は残る。名前を言って写真を撮り、記念品をいただいた。


残念ながら、その後は我が家から発見者は出ず時間切れとなってしまったが、実際にモンゴルや中国で化石を発掘している専門家の先生方の話は、恐竜好きな子供たちでなくても興味をそそられるような内容だったし、司会の方も説明や盛り上げが上手で、実に楽しいイベントだった。肝心の子供たちも大満足だったようだ。

来年ももし開催されるようならもう一度参加したい。そして、できることならやっぱり恐竜の化石、見つけたいなー。




お越しいただきありがとうございます。リアル宝探し、楽しかったです。
ではまた!





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