Moglie 〜モリエ〜 その10

翌朝、週明けの店に着くと、綺麗に整えられたモリエの看板が蕎麦宗の脇に置いてあった。普段、定休日に出勤することはほぼない。たまたまそれが看板の命拾いを引き起こしたのだった。

その日、モリエに代わって隣に新しく出来る、ベースボールバーのオーナーさんとも直接話すことができた。若い兄ちゃんだが、気さくで礼儀正しくとってもチャレンジングな方だった(しかも同郷の韮山町出身でした)。僕のモリエさんとの思い出と、看板にたいする想いにも強く共感してくれた。

先に話したように、この看板は彫刻家「増島豊治」さんの作品だ。現在、イタリアはプーリアのアルベロベッロに居を構えて芸術活動に取り組み、時折日本は三島へ帰ってくる生活をされている。うちの店にも何度も来てくれているので、この一件を話したらきっと喜んでくれにちがいない。

おそらく、日本中に人知れず廃棄処分になってしまった「芸術作品」は数多あることだろう。それは残念なことではあるが、強運にも命拾いしたこの「Moglie 〜モリエ〜」の看板の未来は、いかにあるのだろう。次回、それを語って最終回としようと思う。

#ベースボールバー #増島豊治 #芸術作品 #強運 #モリエ


読んでくれてありがとう。少しはお役に立てたかな⁉︎。聞きたいことあったら、ぜひ質問くださいな。もし楽しい気持ちになれたなら、ほんの少しだけ応援ヨロシクです。