闇夜に念仏、待ち合わせ
「目的のない旅ほど苦しいものはない」とは、鎌倉仏教の根幹に近いひとつの要素らしいです
ホラー回みたいな導入だ(仏教はホラーではない)
この日は友達との待ち合わせ。
東京タワーが見たくて集合場所にしたら人が多過ぎて居場所がなく、一人で階段に座って待つハメになりました。
友達は用事で2時間遅れるらしいので、タワーには登らず周りをプラプラ。
なんかでっかい寺があったのでそこに入りました。
19時を過ぎた境内は薄暗く、
広い敷地の真ん中にあるバカでかい本堂が柔い光で照らされていました。
人気はほとんどありません。
東京タワーの観光ついで立ち寄った人、境内を通り道として使いつつなんとなく立ち止まる人。
自分同様、ぼんやりと吸い寄せられた人が来ている感じがして悪くない心地。
でっかい仏像が置いてあったりするかなと思って
本堂の階段を登って中を覗いてみましたが、内側はあんまり見えませんでした。
ただ、近づくと右端の背の低い引き戸がわずかに開いており、灯りが漏れているのが分かる。
開いてるなら入っていいか
入ったらあるのは闇
でなく、薄暗い中で念仏を唱える集団でした。
怖すぎるよ~~~~~~~~~(念仏に怖いもなんもあるかい)
『別時念仏』と呼ばれてる、みんなで念仏を唱えようの会(月一開催)だったらしいです
もう入っちゃったし…と並べてあるパイプ椅子に座りました。
体育館の半分くらいの大きさの薄暗い空間、滔々と響く念仏。
ディズニーのキャストさんくらい慣れた様子で南無阿弥陀仏の説明をしてくれるお坊さん。
雰囲気に呑まれて逃げられなくなり、結局終わるまでの15分間ずっとそこに居ました。
目的のない旅ほど楽しいものは無いですが、
この寺から脱出して友達にこの話をするまで心細くて仕方なかったのでほどほどがいいかもしれません。怖いし
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