9.11続き2



午前10時僕はJFK空港に到着した。
空港にあるテレビに人が群がっていたけど、バスケとか野球とかを見ているのだろうと思った。
売店でお土産を買いドルを使い切った。残り50セントまでにした。
家にこれから帰ると電話をしようと思い、公衆電話を使おうとしたが、何故か使えない。
東京便欠航の表示が出た。
前日に東京に台風が近づいているという話を聞いていたから、そのためだと思った。
椅子に座りながら、どうしようかと思慮していたら、突然の喧騒が始まった。
「ワールドトレイドセンターがテロで爆破された!!ここも危ないから避難して下さい!!」
警備員が叫ぶような口調で、自らも混乱した様子で走り回っていた。
誘導に従い、普段は使わないだろう倉庫のようなところに僕が乗るはずだった便の人たちが集められた。
「現在、ワールドトレイドセンターにハイジャックされた飛行機が突っ込んだという情報があります。現在何機ハイジャックされているかわかりません。現在、近隣のホテルは全て埋まりました。米国はレベル0という法令を出しました。公共交通機関等移動手段は全て停止しました。ただ当社として宿泊場所の有無等の確認をしなくてはいけません。宿泊場所の有無を申告いただけますでしょうか?」
JFK空港という世界のハブ空港の全便欠航、またハイジャックされた機体がJFK空港にも突っ込んでくるかもしれない。
列に並び、CAさんが聞き取りを行っている。
僕の順番になった。
「宿泊する場所はありますか?」
「友達の家に泊まれます。」
「そこにさらに人を泊めれますか?」
「多分大丈夫だと思います。」
そこで出会ったのが豹柄のズボンをはいたヒデさん、ミワさん夫婦だった。
タクシーは機能していた。50セントしか持っていなかったから泊める人のおかげで移動できると思い、助かったという気持ちが多かった。


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