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急行は西谷通過のままでいい

いつも通りの主張である。

二俣川〜横浜間はノンストップであるべきなのだ。

急行が西谷を通過する理由

まずは急行が西谷を通過している理由を見ていく。

■膨大な本数を捌くため

西谷駅は、3番線からは横浜方面行、4番線からは新宿方面行しか出せない構造になっているため、朝は3番線の1線のみで毎時24本ペースの横浜行の列車を捌かなければならない。この24本全てを西谷に止めようとすると、後続に断続的な詰まりが発生し、減便する必要が生じてしまう。鶴ヶ峰も同様の理由で停車本数が制限されている。

JR直通の開業で、一定数が横浜経由から直通線経由にシフトしたとしても、横浜の利用は大きくは減らないと見込まれ、相鉄側としては横浜行の減便は避けたい場面だった。

そこで、鶴ヶ峰・西谷を通過する種別を設定することで、この最過密区間の運行をスムーズにし、減便を回避する策がとられることとなった。改正に向け、二俣川駅で混雑状況・利用傾向の調査が行われた結果、鶴ヶ峰・西谷通過枠には急行が選ばれた。これは2019/11改正で唯一の正解だったと思う。

同改正で登場した通勤急行や通勤特急以上に、通勤種別色が強い。

■西谷の優等停車は接続目的

西谷駅の1日の利用は約20,000人。少ない。このレベルの駅に優等を止める必要は全くなく、止める目的はあくまで接続だ。西谷で直通系統の各停×横浜発着の優等で接続を取ることで、西谷の隣駅で利用の多い鶴ヶ峰から横浜への速達性確保にも繋がる。

だが、先ほど書いた通り、西谷駅は構造上、横浜発着系統×直通線系統での接続しかできない。つまり、優等の停車目的である”接続”が可能な本数は、直通の本数分に限定される。そしてそのJR直通は、朝は毎時4本、昼間は2本、夕方以降3本と、本数が多くない。これ以上の本数の横浜発着優等が西谷に止まる必要はほとんどないわけだ。実際に、2019/11改正ダイヤでの急行は直通に接続しないスジで設定されており、通過で全く問題なかった。



特急通過・急行停車ではダメなのか?

一般的に、種別の序列は「特急>急行」だが、二俣川〜横浜間ではこれが逆転する。これを逆転させず、特急通過・急行停車ではダメなのか?という声は、特急利用者中心に多く聞かれる。

まず、特急は海老名・大和など郊外部からの速達性確保のために設定された種別。西谷のような位置の駅に止めてほしくないという気持ちはよくわかる。一方で、西谷の優等停車の目的は接続だ。2019/11ダイヤでは、昼間の特急の半数が西谷でJR直通各停に接続しなかったから、この意見もわからなくはなかったのだが、現行ダイヤではほぼすべての横浜発着特急は西谷でJR直通の各停と接続、JR直通各停と接続しない朝の特急も星川で各停を追い越すので、西谷停車は西谷だけでなく、鶴ヶ峰→横浜の速達性も向上させる。また、二俣川で湘南台方面の各停、西谷で海老名方面特急通過駅アクセスの快速or各停と接続を2回行うことで、特急の輸送効率も向上している。西谷の特急停車の理由は固められた印象を受ける。

特急の代わりに急行を止めろという意見だが、二俣川以西各駅に止まる列車同士が西谷で接続をとってもあまり意味がない。これについては昼間の急行がすべて快速に置き換えられた現実で説明がつくだろう。



1年後、東急直通が始まる。

東急直通開始まで、あと1年を切っている。JR直通しかない現段階で西谷への急行停車は不要なわけだが、東急直通が始まったらどうだろう。私は通過のままでいいと思う。

■横浜行は減便されるか

結局ここにかかっている。朝の横浜行を大幅に減便するなら、全列車を西谷に止めても問題ないし、減便しないなら通過のまま残されるだろう。
また、横浜口の列車がどの程度西谷発着化されるかもポイントになってくると思う。配線的に、二俣川方面から直通多め・横浜方面行は西谷発着で接続とすることで、二俣川方のポイント切り替えの手間を省くことができるため、今よりもスムーズに流すことが可能になり、西谷を通過する必要はなくなってくる。

■接続可能本数の増加

JR直通のみの現状では西谷で接続可能な本数は少ないのだが、東急直通が始まると、西谷で接続を行える本数は約2〜3倍に増える。ただ、接続できる本数が増えたからといって、急行をわざわざ西谷に止める必要があるかというと、そうでもないだろう。次の項で詳しく触れる。

■止めても意味ない

まず、朝ラッシュについては先述の通り、横浜行の大幅な減便が行われない限り通過のままで残されるはず。そして、日中の急行運転についてはすでに全廃済み。この日中の急行を、停車駅に西谷を加えて復活させることを考えてみたい。

どのような接続パターンが考えられるだろうか?

西谷で横浜発急行海老名行と西高島平発各停湘南台行が接続?このパターンだと、「急行→西谷で各停乗換→鶴ヶ峰・湘南台方面各駅」「東急線→西谷で急行乗換→海老名方面各駅」のルートは作れるものの、鶴ヶ峰→海老名方面各駅のルートがなくなってしまう。鶴ヶ峰にも止めるか?それなら快速でいいって話になる。逆方向でも同様だ。

では、各停を逃して、接続を西谷ではなく二俣川にするとどうだろう。今度は横浜→鶴ヶ峰の速達性が切れる。それに、接続がないなら西谷は通過で全く問題ないと思う。むしろこの場面なら鶴ヶ峰に急行を止めたくなる。

「現行の急行停車駅+西谷」という停車パターンはかなり扱いづらく、正直必要ない。

■種別名変更

現行の急行の停車パターン・西谷通過は存続させるが、種別名を「急行」から変えるという可能性。急行に通勤急行を名乗らせ、現行の通勤急行を急行にして日中に走らせるなど。前の方で書いたように、現在の急行は通勤種別以上に通勤種別色が強い。

ただ、通勤急行と快速の違いは星川停車の有無。朝ラッシュ時間帯、あえて快速ではなく、星川を通過するだけの通勤急行で運行しているのは、各停の待避時間を抑え、スムーズに回転させるためだ。この通勤急行を昼間に走らせてもあまり意味はなく、大した所要時間短縮にもならない。

それに、西谷急行停車論者は「西谷への全ての営業列車の停車」を望んでいるように見える。これだとそうはならないので、微妙かもしれない。



西谷だけ止めても...ね...??

ここまで書いてきたように、西谷の接続設備は特殊なため、急行を止めてもそれを活かせるものではない。もし西谷に急行を止めたとして、喜ぶのは西谷ユーザー20,000人/日のみである。

二俣川〜横浜間で急行停車駅を一つ増やすなら、西谷の倍以上の利用がある隣駅の鶴ヶ峰や、接続設備を西谷より活かしやすいであろう星川に停める方が良いだろう。結局、昼間の急行全廃・快速置き換えが全てを物語っているのではないだろうか?



通過しやすい構造

西谷駅は2本の引き上げ線を持ち、さらに2線の分岐・合流がある複雑な構造をしているものの、横浜発着の列車が通過しやすい配線になっている。

2019/11改正の時点では残っていた昼間の急行が、2021/3改正で全て西谷停車の快速に置き換えられたため、風向きは悪い方向に変わった気がしなくもないが、少なくとも相鉄側は西谷の通過は想定しているのではないだろうか。



おわりに

 西谷に急行を止めるの、あんまり意味ないですよ。

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