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相鉄、2022年春のダイヤ"見直し"を発表

一昨日(2022/02/09)午後、相鉄が2022年春に行うダイヤ"見直し"を発表した。改正ではなく"見直し"らしい。よくなってないのかな?考察を交えながら、まとめていこうと思う。

日程

・平日ダイヤ:2022年3月14日 月曜日
・休日ダイヤ:2022年3月12日 土曜日

主なポイント

1.昼間のJR直通は下り特急・上り各停のパターンに
2.8両編成の運用が増加・修正
3.平日夕ラッシュパターンが変更
4.ホームドア設置による所要時間増

Ⅰ.JR直通のパターン変更

 前回改正で、昼間の直通は全て相鉄線内各停になった。利用獲得が見込め、需要にも合う一方で、海老名駅での折り返し時間がわずか3分と、遅延時の対応が難点だった。

・下りは特急、上りは各停で統一

 直通列車は下りを特急、上りを各停にそれぞれ統一される形になり、上下共特急1・各停1だった2019/11改正、上下共に全て各停にした2021/3改正、いずれとも異なる新しいパターンとなっている。同時に、上下でダイヤパターンが変わることになる。

・下りの遅延リスク軽減

 現行ダイヤでの直通列車は全て相鉄線内各停で運行されているが、海老名駅での折り返し時間は3分と、非常にタイト。その上、直通各停2本は二俣川〜海老名間の緩行系毎時6本の中に含まれている。
 直通列車のJR線内での遅延は少なくない。10分以上遅延する場合は、直通各停を運休させ、西谷接続の特急を各停に格下げして穴埋めをするなどの処置が取られる。が、10分未満の遅延だと、このような対応は取られないことが多い。西谷や二俣川で何分も待たされる。実際何度か被害にあったことがある。
 このケース、横浜から特急利用→特急通過駅の利便性が安定しないのはもちろんだが、「大和乗換の小田急利用」にも影響が出てしまう。JR直通の敵ではあるが、希望ヶ丘・三ツ境・瀬谷から大和乗換で小田急線を利用する客は多い。「直通各停が遅れたから、小田急の快速急行に乗れなかった」みたいな事案が発生しやすく、この事案は横浜→特急→特急通過駅の利用以上に、客のその先の行程に及ぼす影響が大きい。その点、下りの定時性は確保したい。
 「上りの定時性はどうでもいいんか!?」と言われればそんなわけではなく、下ってる間で巻き返すことも可能で、遅延しても、下りよりは影響を抑えることが可能だ。また、"新宿行"という列車はある種のブランドでもある。これを各駅に用意できるというのも重要なポイントだ。
 直通特急。需要には合わないが、遅延リスクと天秤にかければ増加はやむを得ない。

・昼間の横浜からの特急は消滅

 下り特急は直通発になるため、現在横浜発で設定されている毎時2本の特急は、西谷で直通線からの特急と接続する快速に変わる。これにより、昼間の横浜は快速海老名行6本・各停湘南台行6本という形になる。なんか寂しい。

・ホームドア設置による所要時間増

 後述するが、現在相鉄ではホームドアの設置が進められており、各駅でのドア開閉や確認にかかる時間が伸びている。新ダイヤはこの時間を考慮して各駅の停車時間を若干伸ばした。その結果、「直通を往復各停・海老名折り返し3分」で設定することが、さらに厳しくなった可能性もある。

Ⅱ.8両編成の運用が増加・修正

 8両編成の運用が増加する。また、オタクたちの間で「何でこの電車が8両なんだよ〜」と言われていた部分については改善が見られる。

・東急直通に向けて

 1年後に控えた東急直通。目黒線系統への直通は8両編成で行われる。
 目黒線直通用の8両編成(21000系)の増備がすでに始まっているため、8両での運用が増加する。

・一部列車は10両に改善

 現行ダイヤでは、8両であるがために大混雑を起こしている列車が何本か存在する。その辺は改善される模様。二俣川7:01の通特、横浜17:08の快速など。

・え?

 平日の横浜18:48発 快速湘南台行は8両編成での運行らしい。は?

Ⅲ.夕ラッシュパターンの変更

 正直何がしたいのかよくわからなかった。私個人的には影響はないのだが、影響を受ける駅の利用者がこれをどう思うのか、気になる。

・新パターン

公式の発表から抜粋。

・全ての急行は二俣川で湘南台行に連絡

 現行ダイヤでの急行海老名行は、横浜を0,5,20,25,40,45分発の毎時6本で運行されており、このうち0,20,40分発が二俣川で湘南台行の各駅停車に連絡する。また、快速湘南台行が毎時9,29,49分発で設定されているため、横浜→いずみ野線の有効列車は急行と快速で約10分間隔を構成していた。
 が、新ダイヤでは、各停湘南台行の二俣川停車時間を少し伸ばし、接続をとっていなかった方の急行海老名行からも乗り継げるようにする。ただし、どちらの急行に乗っても乗り継げる湘南台行は同じ。よって、18,38,58分発(現行の20,40,0分発)に乗る意味が薄れる。
 こうなると、横浜→いずみ野線各駅の有効列車は、4急エビ,8快ショウ,24急エビ,28快ショウ,44急エビ,48快ショウと、4分・16分の不均等な開きとなってしまう。たしかに、4,24,44分発の急行は速く、横浜〜二俣川を10分で走破するから、乗れれば所要時間は若干短縮されるし、横浜や二俣川のホームで待たされる時間は短くなるわけだが、オタクとしては少しむずむずする。いずみ野線を救いたいなら、湘南台行の本数自体を増やすべきなような。

・二俣川バカ停

 横浜4,24,44分発の急行海老名行は、横浜〜二俣川を10分で走破するが、二俣川で3分も停車する。
 2本前を走る快速が西谷で直通線からの特急を待ったりする結果、後続が断続的に詰まってしまい、この急行に「二俣川3分バカ停」というしわ寄せが来ている。
 そもそもこの時間の本線緩行系は5分に1本ペースで走ってるのだから、わざわざその1本を西谷で長々と止めて特急と接続を取らせる意味がない。挟み込みで十分接続機能を果たせるはずだ。それでいて、直通特急は湘南台行と接続を取らないのだから、なおさら意味不明。新ダイヤでは、直通線→いずみ野線は二俣川で10分待ちになるようですね。

Ⅳ.その他

・全体的に所要時間増

 現在、相鉄ではホームドア設置が進められている。ホームドアが設置された駅では、開閉や確認に時間がかかっており、新ダイヤではそれらを考慮して、各駅の停車時間が見直されている。
 実際、最近は下り快速なんかに乗ると、希望ヶ丘発車で1~2分遅れは当たり前みたいな感じで、三ツ境〜瀬谷、瀬谷〜大和では回復運転が行われている。90km/hから瀬谷・大和手前で一気に減速するこの感覚は堪らない。ホームドア未設置の三ツ境や瀬谷で客の乗降を急かしてるのも面白い。このままでいいと思うんだけどな。

・始発・終電に微調整

 誤差の範囲内。

・星川留置線・瀬谷夜間留置が開始

 瀬谷の2面4線構造を活用した夜間留置と、星川の留置線の使用が開始される。
 瀬谷発着の電車については設定されない模様。星川の留置は日中も行われるらしい。瀬谷発着欲しかったなああああ。

・通特

 「路線図変えるのが面倒だから」程度にしか残っていない。
 そもそも通特は立ち位置があまりに微妙すぎる。導入当初の二俣川での直特×通特の接続だが、ただでさえ接続可能駅が限られるのに、二俣川以西優等同士での接続とか、無駄にもほどがある。結局1年持たずに端に追いやられたのは当然だし、いずみ野線内での需要の無さから、二俣川以東で通急と同等の機能を果たせるなら、いずみ野線内の利用もしっかり拾える通急で置き換えていくというのは正しい判断だろう。

・一部直通列車の行先変更

 どこまで行こうがほとんどの相鉄利用者はそんなとこまで行かないと思うので、どうでも良い。
 平日の武蔵浦和行が消滅するようだが、休日に特急も各停も残るので、撮影業務も発生しない。

おわりに

 昼間はまあまあ大規模ですが、"見直し"というだけあって、あくまで「調整」といった印象を受けます。個人的には留置関連での瀬谷発着が設定されなかったのが残念。次回に期待です。
 あと、あまり東急直通の香りはしなかったなと思いました。来年は超・大改正が控えています。不安のほうが大きいですけどね。
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参考資料

3月12日(土)、相鉄線ダイヤの見直しを実施【相模鉄道】

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