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帰郷
怖くて怯えていた 私を照らした 白い枝垂桜 ふと上を見上げれば 月明かりの中 誰か微笑んだ 手のひらの花びらは 風に吹かれて 空に舞い踊る 涙流さぬように 目を閉じてごらん 何も怖くないよ 周りは静かな風の音 目を開けると白い袴は 赤く染まった あなたの妖刀が 私を守ってくれたのだろうか あなたは妖さま 暗い夜に 何が見えていますか もし灯りが見えていたら この手を離さないで 夜が明ければ あなたは霞と消えてく ぬらりくらりゆらり 果てしない闇の中 行く先も知らず 冬が訪れる 流れ過ぎ去る日々よ 掴みどころ無く 声をかき消して もう一度だけあなたの そばに居たいと 願い続けてる 心の迷いさえも 淡い夢の中で いつか救われるだろう 深い海に体を委ねて 辿り着いたのは 賑やかで 鮮やかな屋敷 祝宴を挙げて あなたは妖さま 暗い夜に 何が見えていますか もし灯りが見えていたら この手を離さないで あなたは妖さま 夜を統べて 私とさよならを もし世界が続くのなら いつか出会えますように 夜が明ければ あなたは霞と消えてく ぬらりくらりゆらり