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運動鍼と衛気と営気と

運動鍼は”気”を動かす2つの鍼法で、
営気と衛気にアプローチをしていく
前に話をさせていただきました。

営気と衛気は全く性質の異なるものですが、
この2つの気は協調して働いてくれないと
身体にトラブルが生じてしまいます。

では営気と衛気はどういうものでしょうか?

まず営気とは??素問の痺論篇に

”営なる者は、水穀の精気なり。
五臓を和調し、六腑を灑陳して、
乃ち能く脈に入る也。
故に脈に循いて上下し、
五臓を貫き、六腑に絡うなり。”

まとめると
・営気は脈内(経脈内)を流れている。
・経脈を通じて五臓六腑と繋がっている
・規則的に動いている
(呼吸定息にして脈行くこと六寸…難経一難)

一方、衛気は??こちらも素問痺論篇から

”衛なる者は、水穀の悍気なり。
其の気、標疾滑利にして、
脈に入ること能わざるなり。
故に皮膚の中、分肉の間に循いて、
肓膜(横隔膜)を熏じ、
胸膜に散ず。”

まとめると
・衛気は脈外を流れている。
・動きがとても速い。
・外敵(外因になりうるもの)に即座に反応する。

では営気と衛気の関係性をみてみると

”其の気に逆えば則ち痛み、
其の気に従えば則ち愈ゆ。”(素問痺論篇)

衛気、営気はそれぞれ特有の特性があるものの、
共に水穀の精微に由来する気である(胃の気)。

故に互いに相い随うものである(難経三十難)。

衛気が影響を受ければ営気も、
営気が影響を受ければ衛気も当然影響を受けます。

霊枢本蔵篇第四十七もみてみると

”経脈なる者、血気を行らして陰陽を営み、
筋骨を濡し、関節を利する所以の者なり。”

経脈は陰(臓腑)、
陽(衛気のエリア)に血気を巡らし、
筋や関節が動くという
営気と衛気が協調性が分かります。

運動鍼は
遠隔の原穴に刺鍼をするのは営気、
患部に刺鍼、施灸をするのは衛気に
アプローチすることで
営気、衛気を協調させる鍼法になります。

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