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【ライブメモ】tacica Billboard Live “裸の特異点 2023” at 2023.06.30

tacica Billboard Live “裸の特異点 2023”
2023年6月30日(金)@Billboard Live Yokohama
■1stステージ 開場17:00 開演18:00
■2ndステージ 開場20:00 開演21:00
※当日券有り
※配信などは無し

サポートミュージシャン
Drum : 中畑大樹
Piano:森田くみこ


会場周辺について

曇り空。午前中は雨がポツポツ降ってた。5分歩いただけで汗だくになるほど湿度が高くって、もはや夏。

去年のビルボードライブのメモを読んで振り返りながら、会場へ向かった。そうだった。当時はまだsingularity発売前だった。

開場時間の17時前に到着したけど、中の階段の待機スペースまで入れてくれた。17時ぴったりに座席のフロアへ。

2公演とも7〜8割くらいの埋まり具合か。両公演ともに前方に空席があったのは、「FC枠」と「ビルボード枠」のうち、ビルボード枠に結構余裕があったからなのでは、と推測。

今年のグッズは裸の特異点のメインビジュアルをプリントしたグラス。一人2点まで。

dear, beer!!
どんな飲み物も入れてもいい感じに映えるので、この夏、大活躍の予感。
デザインが良すぎるので、手に取るたびに眺めちゃう。とてもいい。

オリジナルドリンク「ナニユエ」。ウォッカベースにカルピス風味で、色味はブルー。ナニユエ君を模したブドウが浮いていた。かわいい。ほぼみんな注文していたのでは。思い思いに写真を撮るなどして楽しんでいたのがよかった。アルコールの有り無しを用意してくれているのも、さすがのtacicaホスピタリティ。

絵空事ではなく、ナニユエくんをストローで吸う夜。

ステージは下手から、グランドピアノ&シンセ、ベース、ドラム、ギターといった立ち位置。ステージ横いっぱいを使う感じ。

開演時間の15分前に、なるやんさんとスタッフさんが、ギターとベースをステージに運んできて機材チェック。

セットリスト

01. Dignity(2022年AL『singularity』)
02. GLOW(2022年AL『singularity』)
03. Mr.(2013年AL『HOMELAND 11 blues』)
04. 命の更新(2011年Sg)
05. ジャッカロープ(2009年AL『jacaranda』)
06. ナニユエ(2023年配信Sg)
07. dear, deer(2021年BestAL『dear, deer』)
08. 馬の眼(2015年AL『LOCUS』)
09. stars(2020年Sg)
10. 永久列車(2011年AL『sheeptown ALASCA』)
11. 人間賛歌(2022年AL『singularity』)
12. latersong(2019年AL『panta rhei』)
en01. ターナーの汽罐車(原曲:山下達郎)
en02. キャスパー(2013年Sg「HALO」c/w)

セットリストは2公演とも同じ。去年のビルボードと同じなのは、命の更新dear, deerstars永久列車の4曲のみ。裸の特異点だからなのか?AL『singularity』から4曲、2020年10月ぶりのlatersongに、バンドとして珍しいカバーなど、まさに特異点なセットリストだった。

  • 1部は18:00〜19:08本編、アンコール入れて終了したのが19:25頃。

  • 2部は21:00〜22:08本編、アンコール入れて終了したのが22:29。

感想など

猪狩さんの服装は上下黒で、インナーに白のTシャツ、白のコンバース。小西さんはグレーのTシャツに黒のパンツ、キャップ。中畑さんと森田さんも、シックな黒系でコーディネート。

ビルボードは音がいい。ボーカルを始め、それぞれの楽器の音がクリアに聞こえる。耳も痛くならない。でも座席によるのか、1部の森田さんのボーカルやピアノが聞き取りづらかった。が、2部はばっちり聞けた。猪狩のさんのボーカルが超絶高解像度で全身で浴びれて、ただただ贅沢。感想はそれに尽きる。

拍手で迎えられながら、4人が下手後方から入場。1曲目は森田さんが即興で(?)ピアノでメロディを奏でて、そのままDignityへ。この始まり方が素晴らしかった。去年のsingularity tourを彷彿とさせながらも、今回は生ピアノ。裸の特異点の世界観へ誘う、とてもスケール感のある楽曲に進化していた。

2曲目はまさかのGLOW。全く想定していなかった曲なので震えた。しかも2曲目という位置も不思議な感じ。猪狩さんの弾き語りで一度歌ったこともあるものの、ツアー以来なのでとても嬉しかった。

命の更新は去年も演奏していて、森田さんのコーラスがすげぇ!という印象が強烈だったので今年も聴けてよかった。

ジャッカロープは後半のギターソロが毎回即興で、毎回かっこいい。シンセのギュイ〜ンという音も新鮮。

何よりも素晴らしかったのは、やはりナニユエ。このビルボード公演のために制作したと言っていたけど、そのことを生演奏を聴いて改めて実感。音源だとかわいらしい印象なんだけど、ライブだとギターは黒のグレッチで骨太だし、ドラムはバッキバキのキレッキレだし、むちゃくちゃかっこいい印象に変わった。この映像をもう一度見たい。公式YouTubeに期待。

からの、まさかのdear,deer。確かに去年も演奏しているんだけど、どうしても“節目曲”という認識だから、特別なときじゃないと演らないと思い込んでいたので嬉しい誤算だった。

〈何故に生きているんだろう?〉という問いかけから、〈私に生まれた理由一つも持っていなくたって月日は流れ今を語る〉と歌ったりして、人生ってそういう疑問と理解を行ったり来たりしながら積み重ねていくものだよな、と思うなどした。

馬の眼は、森田さんがオタマトーンを繰り出して楽しそうに演奏していて、見ていてずっと愉快だった。(ときにオタマトーンのビジュアルが、ナニユエくんみがある)

starsは期待していたので聴けてよかった。もうきっとビルボードでしか(森田さんがいなければ)ライブで聴けない曲とすら思ってる。貴重。ミラーボールも相まって、まさに宇宙にいるかのような心地がした。

人間賛歌。座席のテーブルにあったアクリルの仕切り板が無くなったりだとか、マスク着用が個人の判断だとか、声出しOKだとか、「日常」が戻ってきている最中のライブだったので、しんみりと沁みるものがあった。アカペラのところ、弾き語りだと最近は軽くギターをはじいていることが多かったけど、今回はCDを再現した野外のSE有りのアカペラで、めっちゃ良かった。

本編ラストは、まさかまさかの、latersong。モールス信号&波音のSEが流れた瞬間、震えた。小さく「マジか」と声が漏れた。新型ウイルス禍真っ只中の2020年10月、timeless moment以来の披露。そのときのライブも横浜(NEW SIDE BEACH!!)。偶然だろうけど、不思議な縁。森田さんがいるという時点で真っ先に期待した曲だったけど、まさか演ってくれると思っていなかったので心の底から嬉しかった。〈最高だよ今日は言わずもがな御察しの通り〉そのまんまの気持ちだった。噛み締めるように聴いた。

今回の公演はアコースティックギターが大活躍していた印象で、ここ最近はordinary dayとハイライトだけでしか使われていなかったけど、今回は、GLOWdear, deer人間賛歌latersong、さらにターナーの汽罐車と登場回数が多かった。

ギターつながりで変化といえば、貼られているステッカー。黒×白のやつと、白いやつに増えていた。猪狩さんの気分なんだろうか。

アンコールは、バンドとしては珍しくカバー曲。以前、弾き語りでも一度歌ったことのある山下達郎「ターナーの汽罐車」。アウトロがピアノソロだったんだけど、それに合わせるように3人が森田さんのほうを向いて笑みをたたえながら本当に楽しそうに演奏していたのが最高だった。幸せに満ちあふれた空間以外の何者でもない。素晴らしかった。ずっと観ていたかった。ライブってこういうのが最高なんだよな、ってことを再認識していた。

ラストはキャスパー。これもあまり演らない曲。特異点ならではの曲。

猪狩さんが「今日のtacicaは、4人のつもりでやります」と言っていたとおり、4人にしか出せない音で、特別な、まさに特異点なライブ。またビルボードで4人のtacicaのライブが観たい。

新幹線でおいしいビールが飲みたい!