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エッセイのようなもの

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好きなものについて書いた文章たちです。
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きっかけは、ドングリFM。ドングリドリブンな2022年を振り返る

ポッドキャスト番組「ドングリFM」を習慣的に聞くようになって早3年以上。番組内で紹介されたものをサッと試してみることは、日常でごくありふれたこと。ドングリFMはもうすっかり、気の置けない友人のポジションになっている。 というわけで、2022年にドングリFMをきっかけにやってみたことを振り返ってみる。 (……と、このnoteを書き始めたときには、おすすめされて観た映像作品が多くなるだろうと思っていたんだけれど、よくよく今年を振り返ってみると、決してそんなことはなかった──)

陽だまりのような言葉をくれたポッドキャスト

なんとなく、気分が落ち込む。 在宅勤務を余儀なくされた2020年の春以降は、そんな日が増えた気がする。妙な焦燥感に襲われたり、仕事のオンオフがうまく切り替えられなかったり……。 そんな時は、ポッドキャストを聞くに限る。 終わったような終わっていないような仕事は、とりあえず横に置いておき、2シーターのソファにクッションを重ねて寝転がるような姿勢で身を沈める。そして、ただポッドキャストを流す。 誰かの声や会話があるだけで、憂鬱な気分が紛れてくる。一人だけど、孤独ではないよ

ポッドキャストを愛するように、エッセイを愛する。

小説が読めなくなって久しい。物語に没入する、ということができなくなってしまった。その代わり、ビジネス書やルポルタージュといったノンフィクションを好むようになった。なかでも好きなのは、エッセイ本だ。語り口や文体、日常を切り取る視点に著者の個性が表われる。だから特定の1編が好きになるというよりは、何編も読み進めていくうちに著者自身を好きになっていることのほうが多い。 そういう意味では、ポッドキャストのハマり方に近い。ポッドキャストもいくつもエピソードを聞いているうちにパーソナリ

globe KEIKOの声を堪能し尽くす3曲。

「ボーカルの声質が好きであること」もしくは「楽曲がむちゃくちゃいいこと」。自分が音楽を聴くきっかけは、この二つのどちらかだ。曲はそれほど刺さらないけどボーカルの声質がとても魅力的であるか、声質は一般的だけれどメロディや音色がとても好みであるか。しかしごく稀に、この二つの条件を満たすアーティストが現われる。それが、globeとtacicaだ。 globeはご存知、小室哲哉プロデュースで95年にデビューした三人組ユニット。tacicaは北海道出身のバンドで、2020年に結成15

人生で交わるはずのなかった人たちにどっぷりハマった一年。〜「ドングリFM」との2020年〜

インターネットはおもしろい。炎上やヘイトが飛び交う殺伐とした2020年のネット界隈において、そう思わせてくれたのがドングリFMだ。しかしパーソナリティであるnarumiさんとなつめぐさんへの当初の印象は、「もし学生時代に同級生だったら、きっと友達になっていないタイプの人たち」ということ。僕は子どもの頃から "いかに怒られないように生きるか" を徹底してきた。だからもし二人がクラスメイトにいたら、「narumiくん、もっとマジメにやってくださーい」「なつめぐくんは前提をひっくり