見出し画像

シリコンバレースタートアップからベンチャーキャピタルに移籍して1ヶ月経ったので徒然に書く

こんにちは、相良です。さがらと読みます。男もすなるnoteというものを相良もしてみむとしてするなりということで、書きます。

昨年2018年の年末まで、日本人がシリコンバレーで立ち上げたスタートアップ企業であるTreasure Dataに在籍していました(昨年7月に英半導体大手Armに買収されたため、記事執筆時点ではArm Treasure Dataに名前が変わっています)。出会いは2013年の5月、当時米国のみで活動をしていたTreasure Data Inc.が日本法人を開設し、日本での事業展開を本格化するというニュースを見かけたことでした。

当時大学生だった僕は、インターン先でTreasure Dataの名前とサービスを認知しその可能性に大いなるものを(勝手に)感じていたため、そのニュースを見るや否や、一方的な入社意思を書き綴った英文メールをinfo@~の問い合わせ先に送り、返信を待つことにしました。

採用ページには、当然新卒採用の募集要項など一言も載ってはいませんでしたが、大学生はコンタクトしないでくださいとも書いていなかったので、門戸は閉ざされていないと(勝手に)思い込んで応募することにし、トイレ掃除でも何でもするから入れてくれと駄文乱文を書き殴ってSendボタンを押下したところ、(数週間経ったのち)運よく返信をもらって面談をしたその次の日からアルバイトとして入社できることになったのです。

それから5年半の間は主に営業担当として(正確には最初の2年間はマーケティング・リードをホットな状態で営業担当にパスをするインサイドセールスを担当させてもらい、そこでも多くの経験と学びを得ました)、データを活用して事業を成長させたい法人各社に向けて、Treasure Dataのサービスを用いて既存の業務を効率化する、または部署間でサイロ化されたデータ管理の方法を変革して全社のデジタルトランスフォーメーションを推進する、といった様々なテーマの下に提案を行い、各業界を代表するマーケットリーダー企業における主要ポジションのご担当者と多くのプロジェクトをご一緒させて頂くことができました。

誤解のないように記しておくと、これまでもこれからも、僕にとってトレジャーデータは大好きな会社であり、大好きなサービスです。個々の社員に大きな裁量が与えられ、給与待遇も良く、ランチには毎日日替わりのケータリングが提供されるという、スタートアップの従業員としては願っても無い環境で働けたことはとても幸せでしたし、何一つ不満に思う点はありませんでした。ただ、参画当時10数人だった社員数も200人を越え、会社のステージが変わっていく中で、(プライベートも含め)個人としての区切りのタイミングとも重なったことが、今回の転職に繋がったというのが大まかな経緯になります。全世界の数兆個に及ぶデバイスから生成されるデータを使って世の中をアップデートしていくことに関心のある方は、ぜひともご応募してみてください。

前置きが長くなりましたが、先月からシード・アーリーステージに特化したベンチャーキャピタルであるジェネシア・ベンチャーズに入社し、日々飛び出してくる初見の業界用語に四苦八苦しながらも(例えば"GCP"は、前職では"Google Cloud Platform"の略であるのに対し、現職では"Globis Capital Partners"の略であるし、"TAM"は前職では"Technical Account Manager"を指すのに対し、現職では"Total Addressable Market"を指すし、色々混乱しがちな用語に遭遇します笑)、尊敬できる上司や仲間に助けられ、何とか元気にやっています。

VCという仕事には、就く前と就いた後でポジティブな認識ギャップが幾つもありました。中でも大きかったのは次の二点でしょうか。

・VCとは投資家ではなく、投資家の視点と利害を持った事業家である(特にシード期のVCにとって事業家視点を持てるかどうかは死活問題のように感じます)
・社会がどうあるべきか、社会をどうしたいかという大きな理念を持つことは、期待収益率が何パーセントであるかという数値指標に優位である(もちろんファンド運用者としての立場上、数値指標も重要ですが)

他にも、起業家の本気度に劣らないほどVCも本気であり両者の掛け算で生じる熱量の総和はすごいとか、投資の意思決定には起業家とその事業に対して天使と悪魔の両視点を絶妙なバランスで持てるかどうかが鍵になるとか色々と気づきはありますが、取り急いで言いたいことは、VCは社会において非常に大きく重要な役割を担っているということと、それに気づくきっかけを与えくれた関係者一同に感謝を表したいということと、今後は当業界の一員であり中の人として、(スタートアップ・エコシステムを含む)更なる業界の発展のために精進しなくてはならないということです。

初投稿であまり長くなってもアレですし、お風呂の王様にも行きたいので、今日のところはこの辺にしておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?