ないぞう5

とりあえず、久しぶりに創作をした。

ちょっと、MIXした際に、ベースがうるさすぎた。ヘッドホンで聞いた時と、イヤホンにした時で、ちょっと、聞こえる感じが違うので、やりにくいなぁ、などと。次回があるかは分からないけど、次回は、もう少し、ベースを小さく。取り直せばいいけど、面倒なんで今はしません。気が向いたらするかも?(しないかな)(この辺りも、僕の「構造的趣味」があると思うえど、それはまあ、別の話)

まあ、それはさておき。ちょっとだけ、メイキングについて書いていく。単に趣味なので、別に誰かの役に立つことは何もないし、僕自身に向けた記録です。

タイトルは『内臓5』と仮にしているけれど、そもそも内臓シリーズというのは、内臓タイカロンという、架空のアイドルグループ(かつてあったコンカフェ、コルダで一時期やられてたネタ)の曲を考える、という、よく分からない企画というか遊び(なんで、こんなことしてるんだろう?)。歌詞は書けないので、歌詞無しで作っている。

今回の内臓5は、形式としてはアイドルソングのようなものだけど、一種の実験作となっている。大きく2つ、新しい試みをした。

1つ目がメロディーを1つのフレーズから作り上げているということ。これはバッハの『インベンション』を参考にしながら、あるフレーズから別のフレーズを作っていく、展開していく、そういう方法でメロディを作った。

もう1つはいわゆるポップス・アイドルソング的曲調の中に、スティーブ・ライヒのパルスの考え方を取り入れている。パルスは別の歌の曲(『ドジっ娘メイドゆきちゃんED(There's no way to go, but must go)』)でも使っているけど、あれはそういう曲なので、別扱い。この形式では初めて試した。

まあ、この2点が私にとっての新しい試みだった。その意味でこの内臓5は実験作。

この曲はいくつかの下敷き、というか参考にしている作品がある。

まず、さっきも出てきたけどバッハの『インベンション』。特にインベンションの1番。これが、メロディをどうに扱うかの元というか、参考になっている。

それとAppare!の『青いフレア』。曲の雰囲気的には基本的にはこれを意識している。まあ、別に似てるわけではないけど。

あと下敷きとしてあるのが、1つ足りない賽は投げられた(以下、ひとさい)の、まあ、複数あるんだけど、『仄暗い闇の外から…』とか『じゃねーの法則』とか『Re:Start』もそうかな。これらの曲の構造を使用している。具体的には、これらは、サビのメロディがBメロ以外は全体を通して鳴っているのだけれど、これを使っている。平たく言えば、パクった。

まあ、そういう下敷きがあった上でこの曲は成り立ってる。

それとは別に、これまでやってきた実験も踏襲している。

例えば、まずコードという概念自体があるんだけど、基本的に、あるスケールの上でコードなりメロディーが規定されている。だから、モード的。リディアン・クロマティック・コンセプトよりはチャーチ・スケールの方が近いかもしれない。

そして、コード自体はある訳で、だからコードのルートがあるけれど、ベースラインがルートを弾かないということ。少なくとも、小節の頭でルートを弾かない。さらにテンションが入るから、コード感が比較的薄い作りになっていると思う。なってたらいいなぁ。このアイディアは、『ドジっ娘メイドゆきちゃんOP』以来、使っている。『内臓1』も同じ。

さて、実際のプロセスを書いていく。

最初に、ちょっとメモを書いた

図1
基本的な方針を書いている。サビを各所で使うアイディアはひとさいの曲より。
図2
パルスをどう入れていくか。この時はサビをずらすつもりだったけど、やめている。

基本的にはメロディをA、B、C、サビとある程度作っておいて、それをどこに配置していくか、ざっくりした設計図から落とし込んでいく形にした。その、もとのメロディは、自分のYoutubeから拾ってきている。


図3
Youtubeから音を拾ったもの。とてもざっくり。
図4
おおよその、メロディの形が決まっている。音高を全音下げた。

すでに、反行を書いている。メロディの加工については、以下の種類があるらしい。

全く同じ旋律のまま(=同度
4度あるいは5度移動
上下を逆さま=反行
前後を逆さま(後ろから前に)=逆行
上下を逆さまにして後ろから前に=反逆行
音価を引き伸ばし=拡大
音価を短縮=縮小

バッハの「フーガ」 ~「音楽の捧げもの」に見るフーガの真髄~ 

『インベンション』の1番は、テーマで使われている音型を元にして、対旋律も作られている。素材を別の形に使っている、という感じ。僕も、それを試していて、

図5
AとBという部分にわけで、これを使ってメロディを作っている。
図6
Aメロのメモ。
1段目はAの反行形で、後半二音の音高をオクターブ上げている。
また、2段目はBの同度。4段目は、Aの拡張となっている。
図7
サビのメモ。
図8
Bメロ(1番)
図9
Bメロ(2番)

唯一、サビの裏のストリングスだけは、元の音源のハモリの旋律を元にしている。

図10
サビのストリングス。1,2段目の逆行形(音価のみ)を3、4断面にしている。

メモには書いてないけれど、ブリッジの鐘のような音は、反行形を用いている。

メロディは、このようにして作っていった。

全体の設計として、アイドルソングの定番の形式を踏襲しつつ、ひとさいの曲の、大きなロンド形式(サビのメロディ→Bメロ→サビのメロディ→Bメロ→サビのメロディ)を使っている。

図11
全体の構成。Aメロは一度だけになり、(サビ)の後にコーダが付いた。
((サビ)は歌の無いサビのメロディ)
小さく書いてある数字は、パルスのずれのメモ。
図12
コード進行。ただし、Clydを元にしている。
なお、このあと、全音低くしてたので、実際には、B♭Lyd
図13
パルスのメモ。同じリズムで違う和音。これが、半音ずつずれていく。また、B♭Lydがトニックスケールになっている。

なお、Bメロは、図8、9を見れば分かる通り、トニックが異なっている。EmとE。ただ、どちらも、コードを割り振らず、モード=スケールを基に音が決められている。ベースは通奏低音のように。ストリングスはペルトのティンティナブリを意識して。

図14
ベースラインのメモ。コードのルートを悉く外すようにしている。

ざっくり、メモをたどって、プロセスを追ってきた。

今回は、中音域がすぽっと抜けた。ギターやキーボードのようなリズム隊がいないため。たまたまそうなった、というだけだけど。シンバルも、ハットだけにしてしまった。パルスは、もう少し、大がかりにやっても大丈夫そうな感じがする。ただ、メロディによるものは目立たないようにした方がいいかもしれない。あと、ベースはもう少し小さくてもいい。

まあ、読み返すかは分からないけど、備忘録的に。

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