自動化されたExcel
Excelの表を作る時、データを貼ったり、入力されたら更新されるようにしています。そうすることで、同じ作業を何度も繰り返さずに済むからです。
Excelで表されているのは単なる関数やマクロですが、この計算過程は、自分がどう計算してきたかのプロセスです。思考と言ってもいい。私は、Excelに思考を移し替えている。このExcelを別の誰かが使えば、私の思考が誰かによって再現されるわけです。
その意味で、自動化されたExcelは、思考の外部化で会って、マニュアル化であると言えるでしょう。
たまに、メンテナンスを行おうとすると、自分でどう作ったのか忘れてしまって、うんうん唸りながら考えることになる。人間は忘れる生き物なので、思考をExcel上にメモして、忘れてしまう。むしろ、そうして忘れることができるから、Excelの存在意義があるわけです。
しかし、思考を外部化したことで、私は計算過程を考えなくなります。考えないということは、私は思考を放棄したことになります。そして、入力データをせっせと作って、Excelに食べさせる、システムの奴隷になっていく。物象化とはこういうことなのだろうか?と思いながら、Excelにエサを与え続けている。人間なんて、しょせんはExcelにエサを食べさせるだけの存在なのだと、文句を言いながら。
いい加減に疲れてしまって、新しいExcelファイルを立ち上げる。新しい思考が始まり、外部化され、忘れられる。また、エサを与える。人間の営みである。
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