有報の感想 (株)西松屋チェーン(2018年2月期)

(基本情報)

昭和31年兵庫県姫路市本町にて設立。

「日常のくらし用品を、気軽に自由に、そしてお客様に満足される品質の商品を、どこよりも低価格で最も便利に提供することによって、社会生活の向上に寄与する」ことを経営の基本方針としている。

(感想)

経営方針

分解して考えると

「日常のくらし用品」
「気軽に自由に」
「お客様に満足される品質」
「どこよりも低価格」
「最も便利に提供」
「社会生活の向上に寄与」

この辺りの考え方が「企業価値向上への取組み」に反映されている。商品開発については、低価格、安心安全、買い物や使うものの楽しさというキーワードが入っている。店舗開発のついては、品揃え。

なお、インターネット販売も行っている。
『世界最先端のマーケティング』(奥谷考司、岩井琢磨 著)の言い方でいうと、オフライン×オフラインからオンライン×オンラインへの進出ということになる。いずれ、オンライン×オフラインもするようになるのだろうか。
例えば、ベビー用品だと持ち帰るのが手間になるものがあるから、店舗に来て現物を見ながら(オフラインでの選択)スマホなどでバーコードを読み取りネットショップで購入する(オンラインでの購入)とか。事例として挙がっていた、店舗を倉庫に見立てるアマゾンの方法は西松屋だとやりやすいような気もする。

決算書

営業利益率は5%となっており、業界平均よりはやや高めになっている。原価率は業界平均程度なので、販管費の部分で経費を抑えているのだろうか。

商売としては、原則として現金取引。売上債権は小さく、仕入債務が大きい、典型的な小売業の決算書となっている。ただし、減価償却費が小さい。これは、賃貸で店舗を借りていることが多いためだろう。建設協力金や敷金保証金が大きいことからもうかがえる。

ここ数年毎年新株予約権を発行している。すべてストックオプションだが、近年株価はあまり上がっていないから、効果としてはどうなのだろうか。

地域ごとの売上

単一セグメントのため事業については開示がない。一方で、都道府県ごとの売上と店舗数をあげている。これをもとに、統計資料も合わせて作成したのが以下の表だ。

売上の割合をみると、およそ店舗数、全体の人口分布、0~14歳の人口分布と同じ割合となっている。しいて言えば、人口割合34%に対し売上構成比率27%なので、関東が若干弱いというところか。

特に、東京と神奈川が弱いように見える。今後、オリンピック後数年したら、もしかしたら東京へ多く出店していくかもしれない。おそらく、それまでは東京は建設コストが高いだろうから、少し落ち着いた頃に出るとコストが抑えられる可能性がある。東京はあまり下がらないのかもしれないが。

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