練習

室伏広治の『ゾーンの入り方』の本を3割から4割ぐらい読みました。トレーニングについて反復することも必要ですが、むしろ、トレーニングの質を考えようと書いています。

まず、目的や目標をしっかりと据えること。そして、最短距離でそこに向かうために、日々のトレーニングを行うこと。何のためにこのトレーニングをやるのか、その目的をしっかり考える。その重要さを書いていました。

毎回、今回は何を意識するのか、その意識の向け方がトレーニングの質になっていきます。トレーニングも、体全体を使う体全体の感覚を扱うというのが大事とも書いていました。

でも、ちょっと思ったのが、私がピアノ弾いてる時に、変な体勢になってる時があるんです。背もたれに背中をくっつけながら弾き始めると、すごい猫背というか、まるまってて腕が伸びきってる。それでも別に弾けなくはないのですが、やっぱり、背筋をビシッとして、基本の姿勢で弾くのが美しい。室伏は「道というのは美しくなければならない」という話を別の記事で言っていました。どう見えるかっていうのは非常に重要で、だから録画して初めて、ああ、こういう風に見えるんだ、というところがある。左手の小指が上がっちゃうのも指が上がるということで鍵盤を叩いているのかもしれない。プロの人を見てると、そういう、指で叩く弾き方はしていない。だから、あんまり叩き過ぎない弾き方に直すべきなのかもしれない。

昔、ハノンをいろんな弾き方で弾く、という練習方法をピアノの先生に教わりました。あれも反復練習なんだけど、いろんな弾き方にするようによって、いろんな効果があったんだと思います。トレーニング自体が飽きさせないこともあったでしょう。でも、それより、いろんな力のかかり方が変わってくるから、体の全体的な使いかたの違いが出てくる。そういう体全体の感覚の練習だったのかもしれない。今から考えればもっと真面目にやっておくべきだった。

音階練習とかもそうです。ちゃんとやってこなかったたから、やっぱりうまく弾けてないな、と思う。特に左手。あんまり指が動いてない。どうやったら動くようになるか。練習しかないんでしょうが、どうやって練習するのか、という目的に沿った練習方法を考える必要があるのでしょう。

もう少しピアノに向かわないで練習する時間っていうのがあってもいいのかもしれない。女流棋士の渡部愛は野月九段から指導を受けたのですが、その指導は、対局数を増やすかではなくて、いかに深読み出来るようにするか、1つの場面をいかに深く理解するかに重きを置いていました。ロシアの音楽院では1音の出し方を練習する、という話がありますが、それに近いのかもしれません。1つの場面を深く理解する。

例えば、どういう風に音を作るのか。聞いて、どう弾いてるか客観視して、プロの弾き方を見て、こう違うからこう矯正していく、ということを考える。弾いてる姿を見返すっていうのは意外と大事だとかもしれない。

ブルースを録音したの聞くと、全然スイングしてねーじゃん、と思う。なんか、そういう感覚似てるかも。それを、もっとスイングするにはどうするか、と思って、オスカー・ピーターソンとかウィントン・ケリーなんかを聞いてみる。聞いて、試しているかといえば、一時的なのでなかなか上達しませんが、とはいえ、そうして感覚を得ているところがある。

国分先生の『ドゥルーズの哲学原理』では、ドゥルーズが、これまでの結論であってそれに対して問いが正しいのかということを見直して新たな問いを作り直して、新たな問いを立てて、別の答えにたどり着く、ということを書かれていました。問いを問い直す姿勢がある。

問題点を洗い出して、その参考となりそうなものをあたって、自分の感覚を作り直す。

練習も、ある意味で、深く問い直していくことなのだと思います。。

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