現実と理想の狭間で

山での遭難事故の動画をダーッと見ていた時期があった。おおよそ、事故の理由として多いのが、天候の変化、状況の変化を甘く見て、先に進んだことによる遭難。山の天気は変わりやすい。そして厳しい。夏山でも凍死したりする。そんな中を、進み、頂上へと登っていく。

言い換えると、登山は前に進むのが絶対的な目標でありつつ、どうしたって抗えない脅威である自然の前に、断念することを決断させられる。山を制覇するという目的の下には、前に進むことが目標として入っているが、別の目標として生きて帰るというものがある。この、相反した目標の中で葛藤すること。そこに登山の苦しみがある。

常に悲観的な面を持っていないといけない。だが、進むためには悲観的であるだけでもいけない。現実と理想の狭間で、悩み、決断するのである。

さあやさんがコロナになって、ライブを休むことになった。コロナは、不可抗力であって、ある種の自然の猛威である。自然の猛威は、避けることができない、環境や状況の変化である。山の変化のように、どうにも出来ないことだ。その中で、進むのか、戻るのか判断しなければならない。まあ、診断を受けてショックを受けたろうけれど、医師の判断やその他の状況を鑑みて、決断した。それも、ライブを休むという、苦しい決断をした。

最高の決断かどうかは分からない。それは神のみぞ知るものだから。とにかく、最善と思われる決断をした。とにかく、私はそれを評価したいと思う。いや、評価したい、というのは文体の流れでそう書いているだけで、「さあやさん、えらいなぁ、すごいなぁ」というところなのですが。

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私の個人的な身辺雑記

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