有報の感想 フォスター電機(平成30年3月期)

(基本情報)

本社は東京都昭島市。
事業はスピーカ事業・モバイルオーディオ事業・その他事業。「未来社会に音で貢献する」というビジョンのもと、音に関する製品を作っている。

中国・ベトナム・ミャンマーなどで主に生産活動。

(感想)

(営業経費+減価償却費+のれん償却費+研究開発費=販管費)

営業利益率に大きく変動がある。2017年3月期は売上原価率も大きく動いている。原価自体の変動は為替の影響?にしては大きいような。

減価償却費は年々増加。ミャンマー、ベトナムへの投資(製造設備)によって、固定資産が増えていることが要因と思われる。
どうやら、ミャンマーは経済特別区となっている地域があるらしく、日系企業の工場もあるようである。

ティラワ経済特別区のご紹介(住友商事株式会社 海外工業団地部)2017年

2017年3月期の有価証券報告書の設備の新設に関する記載には、音響部品・製品の他に、自動車用部品・製品のための設備投資をこのティラワで行うと記されている。住友商事の資料では、スズキがティラワに入っているため、スズキ向けに部品を納入する工場があるのかもしれない。ミャンマーの国内自動車販売はここ数年で徐々に伸びていたようだが、少し鈍化しているようだ。

前年度より支払利息が約倍増している。前期末と当期末で大きく変動していないので、前年度期中に多く借入れをしたのではと思われる。借入は中国・ベトナム・ミャンマーの工場投資になっていると思われ、東アジアの生産能力拡大を図っているのだろう。(下図有価証券報告書より)

セグメント売上を見てみると、日本とアジアが増加傾向にある。中国が売上が高いが、ブレが大きい。今後を考えると、米中貿易戦争の結果によって、中国の景気も左右されるだろうし、

なお、当社の主要販売先としてあげられているのはappleである。iPhoneなどにつかわれているのではないだろうか。

apple社2017年9月期アニュアルレポートより。

期が半年ずれてはいるものの、多少相関があるように思われる。実際に、セグメント情報のapple社への売上をみると、2017年3月期が悪くなっており、これが全体の業績にも影響を与えているのだろう。

とすれば、appleの商品が好調かどううかでフォスター電機(株)の業績も影響が出ると思われる。逆にapple商品発売について予想できる可能性もある。

ベトナムの子会社において、早期退職者を募集するようだ。ビンズォン・ダナンは減損損失も入れていることから、業績がいまいちだったのだろう。投資はしているので、機械化をして人工を減らしていくのだろうか?
追加の減損損失についても言及しているため、もしかしたらラインの入れ替えや一部閉鎖などもあり得るのかもしれない。

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