見出し画像

2019年ボカロ10選

ホワイト(@snowwhite_9494)と申します。ついに今年も年10選の季節がやって来ましたね。年10選をnoteとして公開するのは初ですが、一応2015年から自分の中で年10選というものはしていたので、そういう意味では今年で5回目です。割と早めに年10選を公開してる人も多くいましたが、最後の最後まで拘りたかったので、このタイミングになりました。

10曲の中で私的にランキングを付けたので、10位から早速紹介して行きます。

10選の結果だけ見たいという方はこちら↓


10.シルバーコード/ユキノシタ(11/29)

ユキノシタさんのマジカルミライ楽曲コンテスト投票曲。ミクと折れてしまったマスターの歌。ミクとマスターの関係を描いた曲はたくさんあるけれど、この曲が面白いのはミクは歌わせてくれるマスターがいる事で存在できるという事に着目している点。歌わせてくれる人がいないと思いを伝える事も出来ないというミクの無力感を描写しているのが個人的に好き。

あとMV中の文章にある「君の感動を無感情に全力で叫ぶ」という表現も面白い。感動と無感情というのは一見真逆な存在に思えるけれど、ボカロの無感情な声だからこそ上手く伝えられる事もあるというのを上手く描いている。


9.深海の歌/青よりも青(03/30)

今年の2月にデビューした期待の新人 青よりも青さんの3曲目。イラストは羽生まゐごさんの楽曲のイラストをよく手掛けている瀬川あをじさんのものを借りている。

この曲はBメロがめっちゃ好きで、サビに向かってボルテージがどんどん上がって行く感じが好き。

個人的にはここの歌詞がお気に入り。

自分の存在を認めてもらいたいというエゴイスト                                              
他人を嫌悪しながらお互い必要とする

利己主義者は自分を最優先とするが、自分の存在を認めてくれるのは他人でしかないから結局他人を捨てきれないのを皮肉ってて好き。

青よりも青さんはツイッターの更新が最近止まってしまっていますが、新曲を切実に待ってます。

オシャレ曲が好きなボカロリスナーならこの曲は刺さると思います。

8.春嵐/john(12/07)

12月に颯爽と現れた化け物。投稿から3週間ちょっとでここまで食い込んで来ました。2分34秒と曲としては結構短めですが、1番サビ、2番サビ、ラスサビと3回のサビがしっかり敷き詰められています。「春の嵐呼んだ 僕が泣いた 心傷つけられた」とサビで韻を踏みまくって疾走感が凄く、聴いていて楽しい。

個人的にはここの歌詞が好き。

何かを掴んだとて それで幻想 壊して
想いを冷ますとか愚の骨頂ね ただの雑魚に取り合わないの

知らない方が幸せな事って結構ありますよね。そういうことを知ってしまったとして、それでイメージが壊れて、好きという気持ちさえも冷めてしまうのは愚の骨頂であり、ただの雑魚に取り合わないのとまで言い捨てています。自分も何かを知ってしまったとしてもそれを切り離して考えて、好きなものは好きなままでい続けたいなぁと思う事はよくあります。

ちなみにニコニコ、Youtubeどちらのサムネにも登場する青い薔薇の花言葉は昔は「不可能」などでしたが、科学の発展により青い薔薇を誕生させることに成功したことから「夢叶う」に変わったそうです。

7.アンドロイドガール/DECO*27(05/03)

モザイクロール等の第一期、ストリーミングハート等の第二期、ゴーストルール等の第三期に続く第四期DECO*27時代の到来を思わせるほど、今年のDECO*27さんは強かった。今年だけで9曲投稿という驚異的な投稿ペースでボカロ界を大いに盛り上げてくれました。

中でも個人的に1番好きなのはアルバムの表題曲でもある「アンドロイドガール」。2009年8月28日に投稿され、今年10周年を迎えた「二息歩行」の続編にあたります。「二息歩行」の続編でありながら要所要所にDECO*27さんの過去曲を匂わせる要素がたくさんあって、まさにDECO*27さんの活動10年目のアルバムの表題曲にふさわしい一曲。圧倒的な中毒性の高さは流石の一言。

6.花咲く海の底/なつめ千秋(10/19)

この曲は一時期今年の年10選候補の中では12位くらいで入らないかな?と思っていたのに10選noteを書いてる内にやっぱりこの曲強いわとなって、気がついたら6位まで上がってました。

今年のなつめ千秋さんは「真昼の月」、「偽物のユートピア」と個人的推し曲である「センチメンタルな愛慕心」に近いようなポップ系の曲を投稿してきましたが、なんか物足りなさを感じていました。しかし、この「花咲く海の底」は完全に「センチメンタルな愛慕心」のハードルを超えてきていて、なつめ千秋さんの最高傑作と言っても過言では無いと思っています。

もう歌詞が強すぎる。2019年ボカロ歌詞1選を選ぶとしたら間違いなくこの曲。個人的な恋愛ソングの性癖を完全に押さえてきてる。歌詞の好きな所を引用すると全文引用になりそうなので、一番好きな所だけを抜粋します。

あなたがいつか去ってしまっても幸せを願えるくらいまで
強くなるよ 好きになるよ だけど… やっぱり…泣いちゃうな

ラスサビの所です。失恋にも属性があると思ってるんですけど、この部分だけで失恋の瞬間と未練を抱えながらそれでも失恋を乗り越えて別の人を好きになるという二属性を押さえているのは流石に強くないか?

メロディも海の底らしさがあって綺麗だし、なつめ千秋さんの調教も凄く上手いのにまだ4桁再生なのは過小評価過ぎる。


5.近未来型空想都市(Re:image ver.)/shino(10/29)

2017年6月6日に投稿された同タイトルの曲のshinoさんご本人による2年越しのリメイクです。リメイク前の動画はこちら↓

正直この曲が10選で1番どの順位に入れるか悩んだ曲です。というのもリメイク前の時点で歴代ボカロ曲5選を選べって言われたら間違いなく入れるくらい好きなんですよこの曲。リメイク自体も元からあった良さをしっかり残しつつ、shinoさんのここ2年間での成長が感じられるような出来栄えになっています。それ故に曲の好きさなら今年1番って言っても良いくらいなんですが、あくまでも2017年に聴いていた曲という印象が強くて2019年1選かと言われたら微妙なんですよね。個人的に10選はその年にハマったという点を重視したいので曲自体は1選でも良いくらい好きですが、2019年にどれほど聴いたかという面で見たら5位になりました。良い意味で捉えると歴代5選に入るような曲よりハマれる曲が上に4曲もあるくらい今年は充実してました。

曲の話をしていくと、歌詞に午前三時とあるように夜の街の曲です。メロディはキラキラしているのに歌詞は対照的に寂しいんですよね。夜の街が建物とかは昼と同じでも人がいないだけで一気に寂しくなるのをメロディと歌詞の対比で上手く表現しています。

ちなみにリメイク前後で2番サビの歌詞が一部変わっていて、「そうやって命を繋いだ僕たちも同類さ 息を潜めて」から「そうやって描いたイメージ 明後日の空に届くかな」になっています。

4.ジェヘナ/wotaku(08/09)

「生」ということをテーマにした1曲。何度も歌詞に「生きていたいよ」という言葉が出てきますが、自分に当てはめて考えてみると確かになんで生きていたいと思うんだろう?と疑問に思ったりします。普段、普通に生きていると何故生きていたいと思うのか?という問題を気にする事はなかなかないし、生きるしかないのが当たり前のように思っているが故になんで?と聞かれると意外と答えにくかったり。

それでも生きていたいと思うのはDNAに刻み付けられていて、結局生きるしかないという諦めで締めるのが良いんですよね。ジェヘナというのは聖書において「地獄」の意味で、希望が無いとしても死ぬまで苦しみ続けないといけないこの世は地獄だと表しているんだと思います。

個人的にこの曲のMVの演出が好きで「僕らは生きるしかないんだ」という歌詞の後に「本当に?」と表示される所とかラスサビの「生きてたくないよ」がすぐに不適切な発言と隠される所とか表現として凄く上手いなぁと思います。

エレクトロスウィング×カットアップ=最強

3.ウィーニーウォーカー/youまん(07/25)

一応形式上は3位ですが、トップ3はほとんど差がないです。どれも好きすぎて順位をつけるのに凄く困った。

Twitterの#2019年ボカロ10選のタグで同氏の「アーライピー」と並び、多くの票を集めている曲。同一P無し縛りをしていて、この2曲のどちらを落とすか悩んだ人は少なくないはず。

「ウィーニーウォーカー」の1曲前に投稿された「コネクショネレジー」を初めて聴いた時もかなり衝撃を受けましたが、この曲の初聴時には度肝を抜かれました。あまりにもカッコ良すぎる。個人的にラスサビへの流れの持っていき方が大好きです。3:05辺りの「このまま」のあとのハンドクラップとか3:18辺りの「嗚呼」で一回溜めてからラスサビで爆発させる感じが超カッコいい。

2.ラストサイレンス/メレル(03/05)

前作「廃園遊戯」から約10ヶ月振りとなるメレルさんの13曲目。今年メレルさんはこの「ラストサイレンス」を含めて4曲投稿しましたが全てクオリティが高く、なんでもっと伸びないのか謎なPの一人です。

この曲を初めて聴いた時の衝撃は物凄く、投稿された当初からこの曲は絶対年10選に入れるだろうという確信がありました。

個人的にメレルさんは温度のある音楽を作る人だなぁと感じます。最新曲の「福音の名前」を聴いた時にも感じたんですけど、なんだか曲に暖かさがあって凄く聴いていて心地よいんですよね。「福音の名前」は暖炉のある部屋のような温もりがあって、「ラストサイレンス」は寒くて暗い部屋の中に一本だけある火のついた蝋燭のような温もりがあるように感じます。「ラストサイレンス」の灯は客観的に見たら決して大きいものでは無いとしても、暗闇の中にあるからこそ感じられる明るさと暖かさがあると思ってます。

凄く優しくて暖かい1曲です。

1.キラークイーン/Ayase(07/27)

私的2019年ボカロ1選はこの曲です。

今年のAyaseさんの出世は本当に凄かった。Ayaseさんの曲だと「泣いてない」、ラストリゾート、人間モドキ、幽霊東京辺りも年10選候補だったのですが、個人的にはこの曲が最強です。

キラークイーンは今年1月に投稿されたリメイク前の時点で月10選に入れるくらいには好きでしたが、リメイクによって自分の中での評価が跳ね上がりました。

この曲の魅力はポップな曲とダークな歌詞との融合による気持ちよさだと思ってます。

作曲者のAyaseさんもダークネスをポップに魅せたかったという旨のツイートをしてます。

ちなみにMV中に現れるキーワードはこんな感じ。ダークな言葉が目立ちます。

desire 欲望
jealousy 嫉妬
dependent  依存
bontage 束縛
sanctions 制裁
hypocrisy 偽善
love 愛情
madness 狂気
queen 女王
doting 溺愛

この曲の歌詞の好きな所を上げていくとほぼ全部になるんですけど、一番好きな組み合わせの所だけ紹介します。

まず歌い出しから

言葉なんてさ、当てにならない
なんとだってきっと言えるでしょ
邪魔しないで、もう喋らないで
嫌いなものから指折り消してしまいましょ

この上3行の部分は繰り返し登場します。言葉ならなんとでも言えるけれど、それが嘘か本当かはわからないのだから当てにならないという論理です。

uh-oh ホントのこと聞かせて
「ワタシはどう見えてるの?」

こちらはサビの部分です。「言葉なんて当てにならない」と言いながら「ホントのこと聞かせて」という矛盾した思考 凄く可愛らしくないです?言葉ではなんとだって言えるしそれは嘘なのかもしれないけれど、自分を肯定してくれる言葉や自分を愛してくれる言葉はホントのことだと信じたいっていう「ワタシ」の弱さというか人間らしさが滲み出てて好きです。

歌詞に着目してきましたが、曲のノリの良さも大きな魅力です。サビの「暗い世界嫌い未来救い取って」の部分は韻を踏んでいて聴き心地がとても良い。暗い世界嫌い未来は全てが末尾2音がaiで韻を踏んでいる上、嫌い未来に関しては3音iai全て踏んでいます。救いとっては一見韻踏みとは無関係に見えますが、3音目にiがあるため、そこまで韻踏みで作ってきた流れを途切れさせないようになっています。

今年はどの曲を1位にするかかなり悩みましたが、多分今年1番リピートしたのもこの曲だし、自分の中でどの曲が1位かと言われたら「キラークイーン」になると思ってます。


という訳で

1.キラークイーン/Ayase
2.ラストサイレンス/メレル
3.ウィーニーウォーカー/youまん
4.ジェヘナ/wotaku
5.近未来型空想都市(Re:image ver.)/shino
6.花咲く海の底/なつめ千秋
7.アンドロイドガール/DECO*27
8.春嵐/john
9.深海の歌/青よりも青
10.シルバーコード/ユキノシタ

の以上10曲で2019年ボカロ10選でした。今年も多くの良い曲と出会えました。来年はどんな曲に出会えるか楽しみです。

ここまで読んで下さった皆様ありがとうございました!来年はどんなnoteを書いていくかは未定ですが宜しくお願いします。

こちらにニコニコ、ニコボのマイリスのリンクを貼っておきます。是非聴いてみてください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?