COVID-19の財政政策(アメリカ)

今回、マクロ経済のクラスで行ってる生の題材、米政府のコロナ対策とリーマンショック対策の比較に関してエコノミストDaniel J Wilson氏が書いたリサーチペーパーの紹介と感想。見出しは『COVID-19の財政乗数、グレイトレセッションからの学び』サンフランシスコ連邦準備銀行のサイトから。因みにグレイトレセッションとは2007−2008年のリーマンショック時の事。

財政乗数とは?簡単に言うとマクロの財政政策がどの様にインパクトを与えるか数字で表したと言って妥当だと思います。ここでは5つの種類に分けて比較しています。1)個人への送金、2)政府歳出(社会保障、福祉、公共事業、教育、公務員人件費、国債費を含む)、3)州や自治体などへの送金、4)納税額の措置(アメリカは個人で納税を行うので適切な税金措置で個人の負担が減る)5)PPP(Paycheck Protection Program)で個人事業主の従来の収入を維持するその字の通りペイチェックプロテクションプログラム。

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文献によると、2008年−2009年リーマンショック政策では$1.01トリリオン、GDPの7.5%2020年コロナ対策では新たにPPPを取り入れた事もあり$2.4トリリオン、GDPの11.2%。上のグラフではPPPを新たに導入した以外はほぼリーマンショック時と同じくらいの対策です。(オレンジ色の点線)この中でも特にレイオフや個人事業主などで収入を失っている人には大々的に1)個人への送金や 5)PPPを行うと乗数効果が特に望めるとの事。

マクロ経済ではこの政府が行う財政政策と金融機関が行う金融政策(金利や物価調整)の2本の柱をバランスよく機能させる事が必要です。教授曰く、金融政策で債権の利回り確保や株価が回復する事により、人々が安心して投資や消費を行い、経済の回復に繋がるからです。

さらっと書くとこんな感じですが、今回の宿題やテストではIS-LM分析でグラフと解説を求められる事が多いです。(長くなるので紹介しません、興味あったらグーグって下さいませ。)

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