HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 実践編

初めに
基本は東京都の食品衛生管理ファイルを使用します。https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/haccp_torikumishien.html
印刷が面倒くさければ、食品衛生協会でも同じような物を販売しているので、地元の組合にお問い合わせください。動画が良い人はこちらをhttps://youtu.be/Xl_vDY3REf0


まず、どんな時に食中毒(トラブル)が起きているかですが、「平時より客が多い、機械の調子が悪い・前日に壊れていた」等の日常のルーチンが崩れたときに起きることが多いです。
なので、ルーチンが崩れていないかを確認し、問題があるようであればルーチンのブラッシュアップをしていこうってのが、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」、なんちゃってHACCPの目的になります。

さて、なんちゃってHACCPですが「一般衛生管理」と「重要管理」二本の柱がありますで、それぞれについて説明をしていきたいと思います。

一般衛生管理についてですが、こちらは腐った材料は仕入れないようにしましょうとか、肉とサラダのまな板は分けましょうとか、きちんと手を洗いましょうとか当たり前のことなので説明は省略します。

次いで、重要管理ですが、これは食品の調理肯定でどの部分を注意して行うか、言い換えると食中毒を出さないためのポイントは何か?ということになります。
なんちゃってHACCPでは加熱(殺菌)に焦点を当て、食品を加熱の有無等により以下の3つのグループに分けて、それぞれに大枠での重要管理(ポイント)を定めています。
1 サラダ等の非加熱食品
2 ステーキ等の加熱食品
3 カレー等の加熱と冷却を繰り返す食品

重要管理の決め方ですが、②の加熱して熱々のまま提供する食品では、加熱さえしっかりしておけば、まぁ、腹を下すことはないよねってことで、②食品群の重要管理(ポイント)「※十分な加熱」となります。
※中心温度が75度に達してから1分加熱をするのが1つの目安
十分な加熱だとざっくりしすぎていますので、この重要管理を達成するために、「自分の店」ではどのようにやっていくかを考えていきます。
ハンバーグを例に挙げると、一品一品中心温度を測定する、竹串刺して肉汁が透明ならOK、においや音で(経験に基づき)判断するetcといった方法があります。
これらから、自分の店に合う方法を選びます。この際、「無理なく、確実に、継続して」行えるか否かというのが大事になります。

最後に「改善」、ルーチンのブラッシュアップについて説明していきます。
機材の入れ替えや仕入れ先の変更等により現状のルーチンでは重要管理を達成できない、そのようなときには、ルーチンの見直しが必要になります。
オーブン入れ替えたら、従来の調理法だとハンバーグが生焼けになる…
1 ハンバーグを薄くする → (加熱は十分だけど)見た目が悪いので×
2 最後にレンジアップする → (〃)食味が悪い(けどうちの客層的には可)△
3 一度に焼く量を減らす → (〃)提供が間に合わない×
4 加熱時間を延ばす → (〃)少し焦げるが許容範囲。ソース掛ければ見た目もOK◯

のように重要管理をクリアできる方法が幾つか有ります。その中から自分の店にあった方法を選択します。

これで全てです。HACCPはトライandエラーで終わりが無いものになります。続ける事は面倒くさいものですが、色々な事を見つめ直す良い機会になりますので是非続けて下さい。

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