術後の輸液

●全身状態の良い患者の絶飲食中の維持輸液


1日に必要な輸液
水分30ml/kg、Na  2mEq/kg、K 1mEq/kg、ブドウ糖 100g
※NaCl 1g=17mEq
・絶飲食期間が長期の場合に追加する際に重要なのは、微量元素であればZn、ビタミンであればVitB1。ビーフリードは、VitB1とアミノ酸入り。
・ブドウ糖が100g/日以下だと蛋白異化が進行してケトーシスに至る。
維持液=3号液(ソルデム3A) 1.5~2Lで対応できる。

★術後の侵襲による発熱やADH分泌の亢進を考慮すると、ソルデム3Aだけでは低Na血症のリスクあり。
→術後であれば、(例)ソルデム3A 1000mL+ソルラクトD(Glu入りの乳酸リンゲル液) 500mlなど
★血圧低値、頻脈などから細胞外液量不足が疑われる患者の場合、生理食塩水(ソリューゲンF、ヴィーンF、ラクテックなど)を投与する。
★敗血性ショックなどショックが疑われる場合、乏尿によるK排泄不全で高K血症に至るのを防ぐために、K freeの開始液(KN1号、ソリタT1など)やK少なめの輸液を行う。

●投与速度
クレンメ全開投与=ボーラス投与のとき
・24G→ 20ml/分
・22G→ 35ml/分
・20G→ 60ml/分
・18G→ 105ml/分
★敗血症性ショックに対する『1hour bundle』では、30ml/kgの細胞外液を急速投与することが推奨されている。

(参考)
●敗血症性ショックのときの抗菌薬選び
・ショックの時は、緑膿菌をカバーする広域抗菌薬をまず投与しておく。
=タゾピペorカルバペネム系(メロペネム)
・MRSAなどG陽性菌をカバーするためにVCMなどのグリコペプチド系も同時に開始するとbetter.
 ※髄膜炎でリステリア(G陽性桿菌)も疑われる場合は、アンピシリンを投与! リステリアは、VCMもセフトリアキソンも効かない。+ステロイドで、脳の炎症を抑えることができるため追加。


Toshiki Monkawa先生の輸液講座
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