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備忘録2 過去のインタビュー

前回取り上げていないインタビュー記事から、残させて頂いています。

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●2020.1.5 樹木希林さんの言葉から学んだ「俳優として興味があること」

「アンドリュー・ロイド=ウェバー作品は『オペラ座の怪人』をロンドンで見たのが最初でした。たしか21歳だったと思いますが、ただただ圧倒されましたね。

 余すところなくステージはもちろん、客席の真上をうねるように使っていた演出は忘れられないです。でも当時は、ミュージカルにプレーヤーとして出演するなんて想像できなかったですし、自分もやってみたいとは思っていませんでした」

 三浦ファンには待ち遠しいロイド=ウェバー作品出演だが、今作のオファーを受けた当初は、少し悩んだ部分もあったそうで。

「自分が本当にこの役を演じきれるのか、演じるうえで高揚できるのか、最初は疑問だったんです。自分に合っているのかどうかわからなくて正直、悩みました。でも、このザ・マンという男が生田絵梨花さん演じるスワローという純粋な女性の心に触れて、彼が持っている闇であったり、世の中が信じられずに自分の存在にさえも疑心暗鬼になっているようなところが、どう浄化されるのか。その心の浄化のプロセスをいかに観客の心に届く形で演じることができるか、というところに興味を持って手をあげさせていただきました」

セリフを歌にのせて表現する王道のミュージカルというのも新たな挑戦となる。

「『キンキーブーツ』もそうですけど、僕は今までナンバーがショーアップされている演目しかやっていないので、この完全なるミュージカルをやることの難しさは感じていますし、うまくお客様に届けられるのか怖い部分ではありますけど、とても楽しみにしているところでもあります」

演出の白井晃さんとの初タッグで楽しみにされていることは?

「以前、白井さんが演出された高橋一生さん主演の『マーキュリー・ファー』という舞台を見たのですが、それが素晴らしくて。ミュージカルですがストレートプレーを演出してくださるときのような、こまやかな指摘や指導をとことん受けてみたいなと思っています。

2019年も、多くの映画、ドラマ、舞台に出演そして主演ドラマ『TWO WEEKS』の主題歌でCDデビューするなど多忙だった三浦さん。1年を振り返って思うことは?

「『罪と罰』の舞台から始まり、続いて『キンキーブーツ』の再演があって、板の上に立つということに関しては、すごく動いたし練れた1年だった気がしますね。今はやりたいことがやれているので、充実しています

俳優として今いちばん興味があることは何か聞いてみると、深い言葉が返ってきた。

「変に思われるかもしれませんが、よりよく生きること。いろいろな意味でよりよく生きれば、日々のマインドも波風立てられずに、仕事でもしっかり自分の役目を果たせるんじゃないかなと思うから。樹木希林さんの著書に“しっかり人の痛みに触れるとか、誰かの思惑をしっかり考えてあげて、そこに寄り添ってあげるっていうことが役者には必要だ”ということが書かれていて。確かにそうだなと思いますけど、煩わしかったり、自分に自信がなかったりして、なかなか踏み込んでいけないことが多いんですよね。でも仕事を通してだったら、寄り添うことが恥ずかしい気持ちもなくできると思うので、今回の稽古場でも、キャストのみなさんと話し合ってコミュニケーションをとって、役を通して支え合っていけたら、いいものができるんじゃないかなと思います」

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●2019.9.19 自分の考えも主張するようになり、現場では声に出すこと大事にしている

——俳優という職業は、アーティストである一方で、人気商売でもありますよね。周囲の空気を読んだりしますか?

三浦:協調性は欠かさずに、あまり棘がないように、スムーズに現場をまとめるには技術が要ると思います。柔らかさを持つ一方、締めるところは締めるということは、逃げずにやってはいきたいですね。

——グループでいると、まとめ役になるタイプですか?

三浦:僕は自由奔放にやるタイプなので、あくまで「仕事に関しては」ということです。でも最近は、もちろん折れることも大切なんですけど、納得するまで引けなくなりました。芝居に関してだけなんですけど、納得しないまま「こっちの方向性で」と言われても、「前に話していたことと違いますよね」となるから、「おっしゃる方向に近づけはしますけど、すごく気持ちが悪いです」と主張します。

——以前は、納得しなくても進めていた?

三浦:そうですね。「こっちでいい」と言われたら、そのとおり監督の指示通りにやるタイプで、それをうまく演じるということが技術の1つであり、役者だと思っていたんです。だけど、やっぱり自分も生き物だし、考えてきたことは自分の中にあるので、納得しないまま言葉を発してるだけだと、ほんと気持ち悪い芝居になる。そうやって自分の役どころで悔しい思いをしたことがあるし、その時に多く学んで、主張はちゃんとしたいと思うようになりました

——三浦さんなりの「お仕事ルール」は何かありますか?

三浦:「声を出す」ということでしょうか。撮影現場で「スタンバイ中」「直し中」など助監督が言った言葉に対して、レスポンスする。自分もその撮影の一員だという自覚も持てるし、あとは、声が出ていないより、出ている現場のほうが志気が上がる感じがする。

自分に与えられた仕事、つまり、しっかり芝居をするということはもちろんなんですけど、違ったところで、期待されている以上の仕事を、いろいろやってみる

例えば、こうやって作品のプロモーションをするときも、拒まずにいろいろやってみる。作品が世に出るためのサポートを、少しでも多く、いい形でできたらいいなと思っています求められる仕事をこなすのは当たり前だけど、その他にも何かを現場に残していける人でありたいですね。

インスタでも、ここでも、現場に『残す』という言葉を使っている…。

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●2019.9.11 子役時代から客観視している部分があった

@TBSラジオ「伊集院光とらじおと」生出演

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