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教職志望の方へ(11)ー非常勤講師時数についてー

 漢文入力に疲れたのもあるのですが、他の方のnoteを拝見していて、思い出したことがありましたので、それを書きます。
 前に、新任だったときに私たちについた非常勤講師時数を他に分けて、私たちに全然回って来ず、家庭科の新任同僚が12月でご退職になったことを書きましたが、公立高校で、非常勤講師時数がどのように付くのかを説明したいと思います。
 何しろ自分が非常勤講師だった時には全く知らされなくて、翌年どうするなどが考えられなくて困ったものでした。

 まず、考え方ですが、まず教員定数があって、組んでみて足りなかったら、非常勤講師を何時間?となります。
 教員定数は、クラス数や授業時数に応じ、学校によって異なります。昔、クラスが一減になると、教員は二人減らされました。
 ただし、その頃はまだ週5日制が完全ではなかったので、また変わっているかも知れません。

 期限付講師(半期更新で年二回、履歴書を書かされますが、常勤です)は、この教員定数の中に入っており、生徒数減が見込まれる時は、教諭の転退職に伴い、期限付講師に置き換え、クラス減になったら切って行きます。
 もちろん期限付の名前の通り、2年ないしは3年までの有期雇用で、共済でなく厚生年金に入りました。稀に指導困難校でずっと何年も講師という人もいましたが、それはそれで、何か事情があったようです。
 教員定数で時間割が組めれば、非常勤講師は不要なのですが、教諭一人がそれぞれ何時間持つかは学校の状況によって異なりますので、加配と銘打って、非常勤講師時数がつくわけです。

 順に説明すると、まず各教科で来年度の持ち合わせを組みます。持ち合わせで色分けした名残か、科目等で2種類持つことを「2色」、3種類持つことを「3色」と呼んでいました。また2学年にまたがって担当する場合、「学年渡り」と呼び、出来れば時間数をやや軽減しました。試験や進度の打ち合わせに二つの学年の担当者と話をしなければならず、職員室が学年別だったりすると大変だからです。
 単位数の関係で、必ずと言っていいほど端数が出ますが、余裕のある教諭に被ってもらうか、非常勤講師時数を○時間下さいと申請します。
 昔は取り合いで、教科主任会議が何度も行われ教科に持ち帰りました。そしてかけ引きの後、教科会議で承認、職員会議で承認されて、その結果を持って、校長は教育委員会(最近は、教育庁にいつの間にか変わっていますが)に交渉に出かけたものでした。

 今は、職員会議がなくなり、職員連絡会になったので、教科から出た持ち合わせによる時間数を基に、教務部長と管理職が相談して、非常勤講師時数を出していると思います。
 いずれにせよ、来年度のクラス数が決まった段階で、校長は必要時間数をはじき出しているはずです。それが学校計画の基礎の基礎ですから。

 そういうわけで、定数で組めなかった分を加配として非常勤講師時数(給料と直結するのでお金の分配になります)を貰うことになります。
 加配とは、例えば教育委員会からの依頼で外国人生徒を見ることになった時に、その分の授業時数を非常勤に依頼することになったので、それは人権加配になりました。
 そのように、何らかの理由付けがあって、加配が付きます。人権以外で、よくあるのは新任研修に対する加配です。かなり付くようで、場合によっては持ち時間が半分程度で、自分の時と比べて驚いたことがあります。
 校内研修もあるので分掌長にも付いたのではないかと思いますが、校内で実情に合わせて負担軽減のために分配されてしまったりするので、実際の所はわかりません。

 というわけで、まずクラス数、次に入学者数、さらには転勤者が決定しないと、持ち時間数が確定しないので、公立における非常勤講師時数が決まるのはかなり遅くなります。
 三月の末もいいところで、四月になっても探していたり、誰かが肩代わりしたりすることになります。
 教頭が探すのですが、名簿は三月の直近の登録から電話していきます。早く登録していたらもう決まっていて空振りになるからです。
 なんだかんだ言っても、人が足りないのは昔からなので、非常勤講師採用の考え方に問題があるのかも知れませんね。



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