【資料】世長に眠る才能について

※主要7ルートのセリフバレを含みます(念のため致命的なものは避けたつもりです)。


前回の透明な器の考察で世長は希佐に並ぶあるいは同等と言える存在ではないか、という見解を述べました。
※詳細 https://note.com/snowblossom_jj/n/nc976944dbeb4
ただどうも世長はちょっと過小評価されがちな印象――というか、希佐ちゃんと釣り合わない!とか思われてそう(筆者が言われたことあるし)なので、作中で彼の才能に言及している箇所を参考資料として抜粋してまとめておきます。
世長ルートで秀才型の影の役者かのような印象を受ける方もいるようですが、他ルートに分散されている情報を統合すると化け物じみた全容が見えてきます。


①演者としての才能
まだ完全な開花を迎えていないだけで未知数の才能があることが各ルートで実は繰り返し述べられている。

※根地ルート
根地「これから開花する才能がまだまだたくさん眠っている世長くん」
→根地は自ルート以外でも世長の才能に様々な形で言及している。彼の観察眼はずば抜けているが、それでも特に秋公演のフィガロは予想外のものであったことが作中のセリフから推測できる箇所も存在する。

※睦実ルート
カイ「世長には、華としても器としても立ち回れる高い演技力がある。
役への深度はクォーツのなかでもずば抜けていて、舞台全体を見通せる視野の広さだってあるんだ。
世長がいることで、安心して自分の芝居に打ち込める……世長は今日、そんな存在になる。」
→世長は器の印象が強いキャラクターだが、ここではっきり華も演じられることが言及されている。

※世長ルート
根地「クォーツにはジャックエース候補が2人いる。
主役としての強さでいうと……秋冬で苦戦したとはいえ織巻くんだ。
(中略)
ただ、世長くんの能力は未知数だ。
配役発表のときも言ったけど、ほかの誰よりも成長が著しいし、演者としてのバリエーションも豊富。
彼が化ければ、クォーツの強みになる。
だから彼にも主役を経験させておきたかった。」
→世長ルートをクリアしているなら根地が大きな賭けをしたこと、世長の存在がイレギュラーな事態を引き起こしたことはなんとなく分かるはず。言い換えれば、根地がそうしてもいいと思うほどのものがあるということ。


②最終公演のイザクについて
難度の非常に高い重要な役であることが様々なキャラから言及されている。
(余談)下記の希佐ルート、高科ルートのセリフに登場する「仮面」という表現はおそらくアトラスのペルソナシリーズ(特に3~5?)のオマージュと思われる。
世長の元ネタには歴代主人公のペルソナが複数組み込まれており、東京喰種:reのzakkiやTwitterでスイ先生がペルソナ5に触れていることも確認できる。
この他にもアトラス作品(女神転生シリーズなど)を意識しているらしきネタがチラホラ……。

※高科ルート
白田「舞台の上じゃ頭の先からつま先までイザクだ。
うまい、なんて言葉じゃ表現できないな、もう。」
根地「……自分の内側におびえを抱えているからこそ、強い仮面を身に着けられる。
……天性の役者だよ、世長くんは。
安心して僕のあとを任せちゃってもいいかもしれないねえ!」

※希佐ルート
スズ「劇場にまだアンバーの空気が残ってる感じだ。」
白田「温まっていないとキツイだろうな世長……このシーンは……。」
根地「……大丈夫、世長くんならできる。」
(中略)
根地「フィガロ、フギオー、まるで違う感情の爆発……。
彼はこの1年でお芝居の仮面を使いわけるのが上手になった。
僕は世長くんならできると信じてこのむずかしい役を任せたんだ。」

※世長ルート(休日会話)
希佐「創ちゃんのジャックエースは、クラスを立てるために、後ろに下がる感じだよ。」
稀「それじゃロードナイトのジャックエースじゃん。
地味なヤツ。」
御法川「おい!
いやまぁ、そうだけど、大事な役目で……。
器ってのは、相手のことを第一に考えられるようなヤツじゃないとできなくて、それがクラス単位になると……。」


③クラス適性
鬼才集団であるアンバーの適性があることが複数描写されている。
現アンバーの紙谷、元アンバーの根地の双方からの指摘があるため、間違いないと考えていいはず。

※織巻ルート
紙谷「世長創司郎は織巻とは真逆だな。
自分とはまったく違う人間をとりつかれたように演じてやがる。
……あの仄暗い才能は、クォーツじゃなくて、アンバーの匂いを感じるくらいだ。」

※世長ルート(休日会話)
根地「今の世長くん、アンバー系の演技力だから。
なんて言うのかな、役にのめりこみすぎて、いっそおどろおどろしいんだよね。
そんな世長くんに、君はよく合わせられるよ。
シシアが君じゃなかったら、とっくにバラバラになってる。」

※希佐ルート
アタル「(クォーツ以外のクラス適性について)
アンバーはひとりひとりが万能の天才……。
クォーツはクラス全体で見たらいろんな才能が集まってる、て感じかな。
立花は……あと世長もアンバーに行くことになると思う。」
(中略)
アタル「(シャルルとフィガロを例にあげて)
ああいう役にのめりこめる高い表現力ってアンバー的じゃない?
それでいて、立花も世長も、万能型だし。」


④クォーツの器
③の世長ルートの根地のセリフから、世長の演技が尖りすぎあるいは鋭くなりすぎると希佐でないとついていくことが難しいレベル――ある種の規格外になってしまうと推測できる。
その他、希佐ルートには世長ルートとの対比が一部見られるが、主役になったシシアとイザクはどちらもクォーツの器(→透明な器)と表現されている。

※希佐ルート
田中右「(シシアについて)
お前1人がクォーツすべてを包み込む器となったか……。」

※世長ルート(1月25日)
世長「……イザクは器なんだ。」
希佐「カイさんのジャックエースみたいに?」
世長「ううん。
カイさんは、フミさんを引き立たせるための器だったでしょ?
僕のジャックエースは……クォーツの器なんだ。」


⑤根地の後継者
①~④以外に根地の跡を継ぐような形で将来的にクォーツの脚本担当になる可能性が複数のルートでほのめかされている。
また、対比構造や類似性が見られるキャラクターの傾向から3年次にクォーツの組長になることもあるかもしれない……。

※白田ルート
白田「根地さんって、怖い人だよ。
たったひとつのセリフ、動きに無数の意味を持たせているんだ。
(中略)
あれはマネできない。
僕より世長のほうが得意かも。
すごすぎて、何度もついていけなくなりそうになった。」
→白田も脚本関係で世長に素養があるように感じている様子。


その他、世長の演技のバリエーションや対応能力は下記の表も参照のこと。

配役性別対応表

※掃除番とシャルルの性別については https://note.com/snowblossom_jj/n/n2a79984397fb


どう見ても何か世長の能力がおかしいことがおわかりいただけただろうか(ホラー並感)。
あの立花兄妹と神社なんていう怪しーい場所で小さいときから演劇ごっこしていた幼馴染みに何もない方が変とも言う……。
(検証中だが世長が中座や玉阪の歴史と関係しているらしき部分もいくつか見つけてたりする。)