もうこんな時間って微笑んでいうためのエンドロール

柔らかい光が窓からはいってきてる。その光をたどると、夕焼け色に染まった空。まだ冬のような風がふくときもあるけど、ここからみる外の景色はあたたかさで満ちた春でしかなかった。

今日も何にもしなかったな。

ごろんとカーペットに寝転がりながら天井をみる。いや、何もしてなくない。5日間働いた身体を休めたのだ。

昨日もだけどね。

いつからか、おうちでゴロゴロしてしまうのが休みの日の当たり前になった。以前は、友だちと会ったり、お買い物しにいったりしてたのに遠い昔のよう。

たくさん眠ったおかげで身体は回復しているのに、ココロがずんと重い。こういうことを孤独というのだろうか。ずっとこんな毎日が続くのかな？
あー、このまま夜になったらつぶれてしまいそう。

無意識にスマホを手にとる。慣れた手つきでリンクをおしていく。最後の頼みは、お休みエンドロールだ。

＊＊＊

出てきたメッセージをみて、んーっとうなる。いつももう少し具体的なのになっと首をしげた。

今からだって遅くないよ

選んだ和風の花のオーナメントがキラリと光る。ん？これって、雲だったのかな？

今からでも遅くないことって何だろう。

＊＊＊

「それじゃ、来週ね。」

通話を終わりしてから、ふーっと息をはく。
あっさり決まった来週末の予定。友だちとのおしゃべりするなんて、どのくらいぶりだろう。

今からでも遅くないこと。わたしがピンときたのは、こんな休日の過ごし方を変えるための予定だった。どこかに旅行にいくのもいいなっと検索しはじめた。

ふと、友だちとのおしゃべりしたくなった。来月の連休くらいになら、どこか1日空いてるかな？タイミングあえば、旦那さんが子どもたちみてくれるかもって言ってたし。

ポンとメッセージを送ったら、驚くほどはやく返事がきた。

びっくりした。今、メッセージ送ろうと思ってたのって！！とんとんとんと、リズムよく決まった。

おしゃれなカフェから、おうちカフェになったけど。こちらの方が、ゆっくりできそう。なんでも、旦那さんがコーヒーに、友だちはラテアートに夢中なのだとか。楽しい時間になりそう。

お洗濯は、朝おきてすぐにすませよう。食料品は、お買い物は前の日にして。あっ、お土産は何にしようかな。

何かおいしそうなものを検索しようとして、先ほどのメッセージのままだったことにきづく。夕焼けはもうすぐに沈んでしまったのに、気持ちはふわふわと雲のように軽くなっていた。

わたしには、やっぱりこのメッセージが必要だな。画面をみて、にっこりする。ありがとう、お休みエンドロール。