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 寮のお仕事をしたのち、お仕事メイツたちとご飯を食べ、今月使える金額があと3000円だったところが1000円になった。貧しいのはいや。

 ほんとうはレポートを書いたりしなくてはいけなかったのにおひるねをしてしまう。最近はいつもそう。鬱々としてしまってどうにもさっぱりしなくて、好きな人に愛想をつかされる甘美な空想にひたる。そうしたらほんとうに未練なく死んでしまえるね。どうしようもなくてヘンリー・ミラーの「北回帰線」を片手に屋上へ行く。いい夕暮れで、やや冷たい風が吹いている。スピッツを流して大きな声で歌う。最低のきみを忘れない、悲しいうわさは信じない。不死身のビーナスは春の夕暮れににあう、すてきな歌だ。北回帰線を音読する。自分の声を好きになりたい。

 もつ鍋パーティーがやっているらしいけど、いまはパーティーに出れる感じではないな、だけどどうしてももつ鍋がたべたい、と思いながら喫煙する。鬱病のときに喫煙する癖がついてしまった。もつ鍋をもらいに行って、KHさんに鍋をよそってもらう。いま鬱期で、あんまり元気がないんです、空元気でがんばってます、というと、空元気くらいでいいんだよ、といってもらう。そっかーと思っていたら無理すんなよ、と言われてうれしくなる。少なくともひとり、わたしのそばには無理すんなよと言ってくれる人がいる。

 誰とも話せる感じではなくて寮の中でいちばんやさしい人(Fさんとする)のところでビールを一缶一気に飲み干す。すこしずつ元気になっていく。コスパがいい。仲のいい人やそんなに知らない人が集まってきて、みんなで日本酒を飲みながら談笑する。たのしい。日本酒を飲むと世界が煌めいて見える。KHさんと一回生の輪の中に突入したり、Iさんとキモい話に花を咲かせたりした。経過は忘れたけど、なぜか謎のメンツでこれまでの人生を公開しあう会が開催されて、わたしはもう落語と化した中学から浪人期にかけての話をする。当事者研究についての批評で、発表者はだんだん自分のことを話すのがうまくなっていって、つまり物語化やメタ化が上手になっていって、自分の過去を客観性をもって見られるようになる、という文章を読んだことがあるが、まさにそれだ。そのあとは女性蔑視大衆蔑視の擬人化みたいな人間を諭す会。この社会はありえないくらい反差別意識が強くて、それはもはやカルト並みではあるけれど、きみがこの社会に適応したいなら差別意識は表に出さないほうがいい、という話もした。そうやってコミュニケーションができてよかった。彼のことはほんとうにこわいと思っているので、どうにかしてどうにかしたい。

 躁状態のKTさんと、酒の力で鬱なのに躁みたいになった人間ふたりとで、コンビニを徘徊する。べろべろなので明かりがついているだけではしゃぐ。とってもたのしい。

 帰ってきて食堂でねむってしまった。だれかが毛布を掛けてくれたことは覚えている。

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