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言葉の賞味期限

言葉の賞味期限っていつだろう。

言葉は食べ物ではないから、言葉の寿命と表現した方が分かりやすいかもしれない。

「一生一緒にいようね」

そう口にし、言葉の契りを交わした男女が、これまで無数に別々の人生を辿っている。

言葉は、あてにならないのかもしれない。

口にした途端枯れ始め、唇の先で朽ちて散ってしまう。

どんな花よりも短命で、どんなか弱き命よりも儚い。

言葉は、とても無責任で、いい加減で、刹那的なもの。

僕も都合の良いことを口にしたり、思ってもないことを言ってみたり、嘘をついたり、

短命の言葉を紡ぎ出したことは、数え切れない。

いや、紡ぎ出したなんてもんじゃなく、吐き捨てた言葉たち。

そんな言葉たちは、今頃、履き潰した靴の靴底にガムと一緒にへばりついているのだろう。

役目が果たされなかった言葉たちが、屍となって足元に積もっているのだ。



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