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寒さと言葉

今年の3月は雪が降るなど、全体的に寒い日が多かったと感じている。
(ただ、2月~4月まで繁忙期で非常に忙しく、6月の今に振り返って、3月について具体的に覚えていない。2月~4月でのざっくりな感覚値です。ごめんなさい。)

そんな寒さと共に記憶に残るのが、
仕事の関係で、3月~最近まで、「本物」だなと思う方との出会いがあったことだ。
社内外において、誰もが認めるコンサルタントの方でした。

複雑な経緯から、一緒に仕事をする機会を頂き、
また、部長の懐の広さにより、仕事をご一緒する前から会食をさせて頂くこととなった。
会食の場に同席させて頂いた時の素直な気持ちとしては、
「自分は、この人と同じ土俵に立たせてもらえるだけの土台もないな。。
 そして熱量と美学も強く、こちらに緊張を与える、そんな方だな」
という感じであった。

その方との出会いで、気づいたことを少しばかり書き留めたいと思います。

その方は、アパレル業界に特化されて、経営コンサルティングをされていました。
私も仕事で関わる機会があり、知ったことですが、アパレル業界は、店舗からのたたき上げも多く、買い付けや予算の使い方がざる、経営や戦略などもない、クリエイティブとセンスで売る、「右脳派」ということで、経営再建のコンサルティングや企業での研修をしているようでした。
しかし、その方自身は、「右脳派」なアパレル出身とは思えないほど、まさに「左脳」がキレッキレ。
元々の資質というよりは、言いづらいが自己研鑽を惜しまなかったたためのようで、非常に博学で、思考力が高く、圧倒的なパフォーマンスの高さを発揮するために並みならぬ努力をされているように で、周囲からの圧倒的な評価を得ていました。

そのような方との出会いは、静かながらも、じわじわと新境地が開かれる気持ちでした。

会食をさせて頂いてから2か月ほど経ちましたが、まだ2、3回の直接のやり取りの中から、「やはり本物だ」と思ったことがありました。

コンサルタントやアドバイザーという職業は、目に見えるアウトプットに対する価値以外にも、相談料等、時間に対してお金を払う必要があると思うのですが
時々、金額に対して納得してもらえなかったり、アウトプットしてくるもの以外に、あまり価値が感じられにくい時が、残念ながらあると思うのです。
しかし、その方はまさに、その方と話す時間に対して、「お金を払いたい」と思わせるような人でした。

何かというと、その方は、お客様の話を聴いていて、自分が何か話すとき、
自分が持つ膨大な語彙や表現から、相手が気づいていないが相手がほしいイメージや想いを、しっくりくるような枠組みのような「言葉」に変換していくからです。
まさに「それそれ」、「自分が言いたいことが表現してくれたからあなたに任せます」みたいな瞬間を与えるんです。2,3行しか話してないのですが。
ジョハリの窓でいう、「盲点の窓」を引き出しているようでした。

○ジョハリの窓
「開放の窓」 自分も他人も知っている自己
「盲点の窓」 自分は気がついていないが、他人は知っている自己
「秘密の窓」 自分は知っているが、他人は気づいていない自己
「未知の窓」 誰からもまだ知られていない自己
(引用元:「https://potect-a.com/utilization/johari_window/」)

この、本人が気づいていない盲目の部分を言語化する行為が、目に見えるものではないが、非常に付加価値になっているのかもしれない。と感じました。

「言葉は、武器になる」とはこのことかという感じでした。

「言葉は、武器になる」というと、最近newspicksで放送されているlivepicksの特集で、国際ジャーナリストの大野和基氏が出演していました。

大野氏は、品格のある英語で、日本人記者では誰もコンタクトを取れていないような著名人への取材に成功されている方であり、その方もまさに、言葉を武器にして、仕事をされていました。

その方の話を伺っていて、気づいたのですが、日本語というのは、行間だったり、主語と述語どちらかがなくても伝わる言語であるため、表現の工夫などができて奥が深いものだと思っていたが、英語も非常に表現の工夫のし甲斐があり、奥が深い言語であることが分かったのです。

大野氏いわく、「英語は、ストレートな表現で通じる、大雑把な言語」というイメージが先行しがちだが、「怒る」という表現でも、60個ぐらい表現があるらしく、とても繊細な言語なのだそうです。

例えば、日本語ならば、枕詞や言葉尻で丁寧さなどが変わることで、相手に理解してもらえます。
一方、英語は、表現を変えたい場合は、ボキャブラリーやセンテンス自体も変える必要がでてきてしまい、表現の種類だけ、全く違う言葉が必要になるというわけです。

自分が持つ語彙の量によって、表現を巧みに操ることができるということですよね。

コンサルタントの方の話も、大野氏の話も、共通するのは、「語彙」の量とそれを駆使することで、対価を得ていることです。

言葉の偉大さに気づきながら、まだまだその偉大さを語るに足りないまま、温かい日々を通過し、蒸し暑さを迎えてしまったようです。
「語彙」を「語彙」に留めず、何かメッセージとして表現できるように、引き続きこういったアウトプットの場を設けて、磨いてきたいと思いました。

コンサルタントの方にあった時の「静かな炎(やる気)」を忘れずに、夏に向かいたいと思います。

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